トップ国際朝鮮半島支持率低迷の韓国保守 李政権、専横も外交で加点

支持率低迷の韓国保守 李政権、専横も外交で加点

22日、韓国南東部の釜山市で李在明大統領の裁判再開などを訴えて開かれた集会に参加した保守系最大野党「国民の力」の国会議員ら(韓国のテレビ番組より)
22日、韓国南東部の釜山市で李在明大統領の裁判再開などを訴えて開かれた集会に参加した保守系最大野党「国民の力」の国会議員ら(韓国のテレビ番組より)

 韓国の李在明大統領が自身の裁判回避や革新派による長期執権などを視野に露骨な検察・裁判所への介入を続ける中、最大野党「国民の力」など保守に対する国民の支持が伸び悩んでいる。世論は李氏の専横を目の当たりにしながら、なぜ評価するのだろうか。(ソウル上田勇実)

 世論調査機関「韓国ギャラップ」が先週実施した調査によると、李氏の支持率は60%で前週比4ポイント上昇し、再び60%台を記録した。評価の理由は「外交」(34%)が最も多く、次いで「経済・民生」(14%)だった。

 韓国は、先月末から今月初めにかけて南東部・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を契機とした主要国との首脳会談で、関税問題に揺れる米国との交渉をひとまず無難に乗り越え、日本や中国とも目立った失点なく終わった。これらが追い風になったもようだ。

 一方、「支持しない」は前週比2ポイント低下の30%にとどまった。理由で多かったのは「道徳性の問題・本人の裁判回避」(12%)と「大庄洞事件・検察控訴放棄への圧迫」(11%)で、韓国人が最も敏感に拒絶反応を示すと言われる不道徳や不正は、それほど減点材料になっていないことが浮き彫りになった。

 政党支持率では、与党「共に民主党」(43%)が「国民の力」(24%)を大きく上回り、ここ3カ月は両党支持率の差が縮まっていない。

 李氏を巡る直近の問題で最も批判されているのが、大庄洞事件と関連裁判で自身に対する検察の追及をかわす控訴放棄圧力だ。

 大庄洞事件は、李氏が城南市(京畿道)の市長時代(2010~18年)に同市盆唐区大庄洞で手掛けた大型宅地開発を舞台に繰り広げられた不正疑惑だ。

 数千億ウォンといわれる収益金の民間への不透明な流入や便宜供与、公的機関に対する背任などが疑われ、李氏の側近などが逮捕・起訴されたり、自殺に追い込まれた。だが、疑惑の中心にいるとみられる李氏の裁判は遅延が続き、先日は関連裁判の二審を前に検察が追及の手を緩めるかのごとく控訴を放棄した。政権から圧力がかかったためとの見方が出ている。

 こうした李氏の目に余る自己防衛にもかかわらず、李氏の支持率は上昇し、これを批判する保守の支持率が低迷したままなのはなぜなのか。

 多くの識者が指摘する理由の一つに、昨年末に尹錫悦大統領が李氏を中心とする野党(当時)の国政運営妨害をはね返そうとして踏み切った「非常戒厳」措置の否定的影響がいまだに尾を引いていることがある。

 軍人が国会議事堂に乗り込んだ衝撃的場面は、長く軍事独裁政権に苦しんだ韓国人を刺激するに余りある暴挙だったのは確かだ。その後、尹氏は弾劾・罷免され、今は被告人となって収監された。まもなくその戒厳令から1年になるが、「尹アゲイン」(尹氏復権)を主張する一部保守派や尹氏を支持する野党議員などへの嫌悪感が、保守の支持率低迷につながっている可能性はある。

 逆に李氏が支持率を落とさない理由として考えられるのが、内政と外交の使い分けだ。内政では「司法の手なずけと内乱勢力(保守派)の清算に没頭」(韓国メディア)し、長期的保身に道筋を付けようと躍起だが、そのマイナス面をカバーするように外交では反米・反日主義者が多い革新派の批判をよそに安全保障面も含め日米との関係を良好に保とうとしている。

 外交で加点し、全体として支持率を落とさないように最初から内政と外交を使い分けたとすれば、抜け目ない策士と言えよう。

 しかし、そうしている間に韓国国内は李氏を頂点とする一種の独裁体制に変質する恐れがある。かつて李氏と同じ「共に民主党」に所属した李洛淵元首相は先週、SNSで次のように嘆いた。

 「被告人(李在明)大統領を無罪にしようとして法治主義が踏みにじられ、(内乱加担の有無を調べる政府による)公務員のスマホやパソコンの調査には全体主義の影がちらついている。韓国の民主主義はあとどれだけ崩壊しなければならないのか」

 「国民の力」は先週末から全国を巡回し、李氏の専横を非難したり、裁判再開や国政監査を求める野外集会を始めた。ただ、支持率回復にどこまでつながるかは不透明だ。

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