トップ国際朝鮮半島兪吉濬の中立論と激動の東アジア 列強間の均衡外交を主張

兪吉濬の中立論と激動の東アジア 列強間の均衡外交を主張

【ポイント解説】飽くなき「中立」の追求

 韓国政府の「均衡論」や「バランサー論」は北朝鮮を強く意識する左派政権の時にだけ出てくるものではないことが分かる。既に兪吉濬は1885年に「中立論」を書いている。日本、中国(清)、ロシアが朝鮮半島での主導権を争い、国内が激しく揺れ動く中で著されたものだ。

 ここで意識されているのは大陸勢力(=中露)と海洋勢力(=日米英)で、その真ん中に朝鮮があるという世界観だ。朝鮮は長らく大陸勢力の影響下にあった。帝国主義の時代となり、いくら大国間の争いに巻き込まないでほしいと願っても、周辺を強大国に囲まれた地政学的条件下では中立が成り立たなかったのが歴史的事実である。

 その中立論や均衡外交が虚(むな)しく消し飛んだのが日清、日露戦争だと金泰雄教授は言う。日本は欧米を巧みに使って、まんまと朝鮮を大陸勢力から引き剥がした、あるいは米英が日本を使って朝鮮を引き剥がさせた、という解釈だ。

 ここで疑問がある。列強から蚕食されていた中国を頼ったり、ロシアに助けを求めて、朝鮮は「中立」や「均衡」が得られただろうかということだ。

 今また米中の角逐の中で、韓国は中立論や均衡外交の模索に流れて行くのだろうか。李在明大統領の「実用外交」はどうみても海洋勢力側に軸足を置こうとしているのだが。

 残念なのは日本で次の自民党総裁が石破茂氏よりも「右派」だと予想し、その予想に怯(おび)えて警戒していることだ。李大統領は揺るがないでほしい。もともと親韓派だった安倍晋三氏を見誤って敵視した代償が大きくついた経験に学ぶべきだ。(岩崎 哲)

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