
韓米関税交渉の妥結で李在明大統領は外交的に重大な峠の一つを越えた。正確な損益は実務協議後に明らかになるが、期日に追われて交渉したものとしては最悪の結果は避けたとみられる。
韓米自由貿易協定(FTA)体制で関税0%の適用を受けていたのが15%に上昇したのは残念だが、15%は主要競争国の日本、欧州連合(EU)と同じ水準なので善戦したとの評価が出ている。何よりも韓国の内部対立を触発し得るコメと牛肉市場に対する追加開放を防いだことは幸いだ。
「大きい山」を一つ越えたが、8月中に「より大きい峠」を越えなければならない。歴代の韓米首脳会談はどれ一つとして重要でないものはなかったが、今度の首脳会談には韓米同盟の未来を占う重大懸案がテーブルに上がる見通しだ。
最も核心の懸案は「同盟の現代化」だ。これは在韓米軍を北朝鮮の脅威に対する抑止戦力から対中国牽制(けんせい)戦力に変えようというのが骨子だ。トランプ政権の外交・安保戦略の焦点は全て中国に合わされている。今後、米国は中国の脅威に効率的に対処するという名分で在韓米軍兵力の一部を韓半島の外に移動させる可能性があり、これは在韓米軍の実質的削減につながる。
同盟の現代化には国防費の増額、在韓米軍費用負担の再協議問題も含まれるものとみられる。トランプ氏は韓国など同盟国に国防費を国内総生産(GDP)の5%水準に引き上げ、防衛費負担も大幅に引き上げることを要求してきた。今年の韓国国防予算は61兆2469億ウォンでGDP比2・32%だ。関税交渉には含まれなかった米国製兵器の購入および防衛産業投資・協力計画を首脳会談では韓国の「国防費増額」の名目で要求する可能性がある。
当初の予想より遅れて8月下旬の開催が有力な今度の韓米首脳会談は、歴代最高難度の会談になる可能性が高い。新政府になって韓米関係では何度も異常気流が感知された。李大統領は当選直後、トランプ氏と通話はしたが、ホワイトハウスは「中国の影響力行使に憂慮し反対する」という異例の内容を含む論評を出した。トランプ氏は当選祝賀メッセージも当選後約2カ月たってから送った。
韓国政府は米国の朝野から最近、「両方(米中)とも支持しようという(李在明政権の)試みを米国は侮辱と受け取るだろう」(ブライアン・マスト米下院外交委員長)という警告まで出てきた現実を直視しなければならない。
今度の韓米首脳会談で李大統領は親中との誤解を解消し、任期5年の間、韓米同盟をアップグレードするビジョンを提示してもらいたい。
(パク・チャンオク論説室長、8月5日付)






