トップ国際朝鮮半島保守はどのように生きるか 届くのか小栗上野介の言葉

保守はどのように生きるか 届くのか小栗上野介の言葉

再来年のNHK大河ドラマは幕末の幕臣で日本の近代化に尽くした小栗上野介(忠順(ただまさ))が主人公だ。月刊朝鮮編集長の裵振栄(ペジニョン)氏が連載コラム「編集長の手紙」(7月号)で小栗忠順を取り上げた。わざわざ日本の大河ドラマを紹介しようというのではない。大統領選で壊滅状態になった韓国保守はどうすべきかを問うている。

裵編集長は「小栗忠順の推進した改革の方向は明治維新主体勢力のそれと大きく異ならなかった。差があったとすれば主体が徳川幕府になるか、長州・薩摩になるかの違いだけだった」とし、小栗の功績の一つ、横須賀軍港と造船所は「ここで造られた軍艦と海軍は日清戦争と日露戦争勝利の主役となった」と紹介した。

小栗は「逆臣」として斬首されたが、後に東郷平八郎は「日本海軍の勝利は小栗さんのお陰」と高く評価し、司馬遼太郎は「明治の父」と讃(たた)えたエピソードも示している。韓国人にとって馴染(なじ)みの薄い小栗忠順を知らせるのに「東郷」と「司馬」の言葉は最も効果的なのだろう。

功績もそうだが、裵編集長が一番紹介したかったのは小栗の姿勢である。「幕府の運命は有限だが、日本の運命は無限だ。幕府が行った仕事が長期的に日本の役に立つならば徳川一族の名誉であり、国の利益ではないだろうか」という言葉を挙げ、一政党の浮沈で右往左往せず、国家の将来について悩むべきではないかと示唆する。

さらに小栗の次の言葉を「忠孝」の大好きな韓国人はなんと聞くか。

「病の癒(い)ゆべからざるを知りて薬せざるは孝子の所為(しょい)にあらず。国亡び、身倒るるまでは公事に鞅掌(おうしょう)するこそ真の武士なれ」(親の病気が治る見込みがないからといって、薬を与えないのは親孝行ではない。そのように、たとえ国が滅びても、この身が倒れるまで公事に尽くすのが真の武士である)

「保守が壊滅するからといって、再建の努力を放棄すべきではない」とのメッセージが込められている。「政権よりも国を先に考え、果敢な改革を推進し、最後まで体制を守ろうと渾身(こんしん)の力を出し、結局は体制と運命を共にした。小栗忠順こそ『保守主義者の亀鑑』と言えるだろう」とした。亀鑑とは「鏡にして見習うべき模範」の意味だ。

それに引き換え韓国の現状はといえば、倒れそうな保守を見捨てて新党に走る者、責任追及して世代交代を迫る者、内紛、派閥争いに明け暮れている。韓国保守は「1980年代以降持ってきた体質『どうにかなるだろう』で虚(むな)しく歳月を費やしてきた」し、大統領選の時でさえ、「全ての保守勢力には『下手をすると国が亡びる』という切実さがほとんど見られなかった」と裵氏は指摘する。

韓国保守は重大な岐路に直面しているようだ。トランプ関税、イスラエルのイラン空襲、等々、「世界はジャングルの掟(おきて)が常態化した。こういう時代に誤った選択をすれば、われわれの世代はもちろん、今後100年、200年の運命を誤らせる」と警鐘を鳴らす。

この警鐘も小栗の言葉も届かないとすれば、韓国の保守は本当に消えてしまうかもしれない。(韓国編 岩崎 哲)

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