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未来が失われた次期大統領選挙

【ポイント解説】野党の「K民主主義」?

先進国を名乗る国々で「多数の横暴」という言葉をこれほどまでに端的に示しているケースも珍しい。弊害が多いから大統領の権限を制限しようという話をしている時に、大統領に就けば裁判を止められるよう刑事訴訟法を変える準備をし、判決が気に食わないと言って判事に弾劾をちらつかせ、大統領選日程の都合で公判日をずらすよう裁判所に圧力をかける。

こうした司法の捻(ね)じ曲げが、国会多数を握る野党によって欲しいままにされているのが韓国の今だ。これが誇るべき「K民主主義」ならば、世界中の独裁者はこぞって韓国をメンバーに受け入れるだろうし、その一方で、先進諸国は韓国を別のカテゴリーにリストするだろう。

しかし、こうしたやり方が大統領選にマイナスイメージを与える、いや、そもそも「正しくない」と韓国野党は考えないのだろうか。戒厳をひっくり返し、弾劾を断行し、まんまと早期大統領選に持ち込んだことに酔いしれているのか。李在明氏の高い世論調査結果を土台に誰憚(はばか)ることなくやりたい放題だ。野党による司法壟断をなぜメディアはもっと厳しく追及しないのか。

戒厳・弾劾事態の衝撃が大き過ぎた。尹錫悦前大統領が野党の横暴に対してとった戒厳という極端な選択を批判した手前、たとえ何があっても「多数決の結果」は尊重されなければならないと頑なに考えているのだろう。それが混乱をもたらそうとも。

少数与党はこの事態を挽回できるか。候補一本化の道筋も見えてこない。大統領選まで1カ月。韓国の政治は局面が一気に変わるから、この後何が起こるかは分からない。(岩崎 哲)

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