トップ国際朝鮮半島トランプ100日、韓米同盟の新課題

トランプ100日、韓米同盟の新課題

会議を前に握手する中谷元 防衛省(右)とヘグセス米防衛省長官=3月30日午前、東京・国防省
会議を前に握手する中谷元 防衛省(右)とヘグセス米防衛省長官=3月30日午前、東京・防衛省

ドナルド・トランプ第2期政権がスタートして約100日が経過している。同盟国の韓国に対して防衛費分担金(在韓米軍駐留経費負担)の過度な引き上げや、在韓米軍の縮小を推進しようとした第1期のように、2期目も韓米同盟を大きく動揺・弱体化させる政策が推進されないかとの懸念が国内安保専門家の間に存在してきたのが事実だ。

そうした点で今年3月中旬、ピート・ヘグセス国防長官が米国防総省内に回覧させたと報道された「暫定的国家安保戦略指針」の概略的な内容は、トランプ2期政権の韓米同盟政策に対する不安をある程度解消する意味を持つと考えられる。

同指針とその根拠になっているエルブリッジ・コルビー国防次官(政策担当)の著書『拒否戦略』、そしてヘリテージ財団が2023年に発刊した『プロジェクト2025』の内容は共通して米国が当面する最大の安保脅威を中国と設定している。

そして、それに対応するために国内的には核戦争力の増大とミサイル防御体制の増強を政策方向として提示し、対外的にはインド太平洋地域の韓国、日本、フィリピン、オーストラリア、インドネシアなどを網羅した「反覇権連合」の構成を提案している。

このようなトランプ政権の主要人物らの安保戦略構想を見ると、1期トランプ政権で推進された韓米同盟の規模や役割の急激な縮小の動きはある程度制御されるものと考えられる。

ただし、2期政権でも在韓米軍の役割や地位が変化し得る幾つかの変数が存在する。コルビー次官は昨年5月の訪韓時に、在韓米軍が今後、対中抑止の役割をより拡大するべきであり、北朝鮮の在来式軍事脅威は韓国が単独で対応する力量と準備を持つ韓米間の役割分担案を提示したことがある。こうした方策が今後推進されれば、北朝鮮発の軍事的脅威を同盟次元で共同抑制するという韓米連合防衛体制の根幹が動揺し得る。

それに加えてバイデン政権時から米国と日本間で推進されている米日同盟指揮体制の再編構想が在韓米軍の地位にも影響を与える可能性がある。

日本は今年3月、統合作戦司令部を新設した。この過程で日本は同司令部のカウンターパートになる駐日米軍司令部を既存の中将でなく大将の指揮体制へ格上げして、インド太平洋司令部が担当してきた作戦指揮権限も駐日米軍司令部に付与することを米国側に要請したという。昨年に開催された米日首脳会談と2プラス2会談で米日両国は、概してこのような方向へ意見が接近したと伝えられる。

去る3月30日、ヘグセス長官が日本を訪問した時、中谷元防衛相が韓半島、東シナ海、南シナ海を一つの戦域にすることを提案したというのは、駐日米軍司令部が格上げされる場合の役割を説明する過程から出た発言だと考えられる。

万一、米日の合意によって駐日米軍司令部の地位が大将指揮下の指揮体制に再編され、その任務も地域的に拡大されれば、韓米連合司令部と在韓米軍司令官の地位にも影響を及ぼし得る。

トランプ政権100日後に推進されるインド太平洋地域同盟政策を注意深く観察しながら、韓米連合防御体制に隙間が生じないように先制的対応政策を講じる必要がある。

(朴榮濬(パクヨンジュン)国防大学国家安保問題研究所長、4月28日付)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »