【ポイント解説】〝廃族〟保守を再建するには
「廃族」とは先祖が国に対して犯した大罪のために、子孫が官位に就けなくなった、呪われた一族のことを指す。現代では在野で流浪している、漂流している、というニュアンスを持つ言葉だ。2人の罷免された大統領を持つ韓国保守がまさしく廃族だという指摘である。
韓国政治では政争に敗れ、日本や米国で「留学」や「治療」名目で“亡命”生活を送る政治家がよくみられた。彼らはほとぼりが冷めたり、赦免されて帰国し、政界に復帰する。金大中、金鍾泌、朴泰俊らは後に大統領や首相になった。これで一生終わりということではなく、いったんゼロから再出発するというしぶとさが韓国政治にはある。
いま保守陣営が試されているのがそれだ。彼らの一番の課題は統合と再建であるが、ビジョンも、核となる人物も見当たらない。何よりも大事な「魂」がない。廃族のような境遇にあるという自覚すらもないのではないか。
記事は米共和党の例を挙げる。保守アイデンティティーの再確立、小異を捨てて大同に就く、保守勢力の結集と外縁拡大、などを促す。さらに候補者を外部から持ってきて、いきなり大統領候補に仕立てるやり方もたしなめる。
検察総長だった尹錫悦氏を保守の大統領候補に立てた時、経験、政策、人脈のなさを危ぶむ声は多かったが、実際にその通りになった。過去の事例でも親族に兵役不正などがあって苦戦を強いられたりした。「基本を着実に」というほどの時間がないことは分かる。だが時間がかかっても立て直しに取り組まなければ、本当に向こう20年間、左派政権が続くことになりかねない。(岩崎 哲)







