【ポイント解説】北東アジアの安保責任を持つ?
韓国はトランプ交渉術を見て、自らを高く売る策を巡らさなければならないというのが梁旭研究委員の主張だ。そのためには韓国は朝鮮半島内だけでなく「北東アジアの安全保障」に寄与できる存在だと認識してもらわなければならない。
だが、現実的にはどうだろうか。韓国が半島の域を越えて日本を含む北東アジア全域で「力」を行使しようとすれば、各国の警戒心を呼ぶだろう。その考えを示しただけでも各国の防衛担当者たちをざわつかせるには十分だ。日本が集団的自衛権や敵基地攻撃能力の保持を決めた時のように。
力にはバランスが必要だ。均衡を破るほどの軍事力と意思を示せば、平衡を取ろうとして各国は動きだすことを考える。考え出せば疑心が生まれ、妄想を育てることになる。「北朝鮮以外で平和と繁栄を揺さぶろうとする如何(いか)なる国家にも対抗できる」とは深読みをすれば、かなり物騒なことを言っている。
韓国がもし本当に域内の安保に自国領を越えて積極的に関与しようとすれば、周辺国、関係国との信頼関係の構築と途切れない交流、疎通が必須だ。自衛隊機への火器管制レーダー照射のような事件(2018年)が発生すれば、信頼は一気に崩れ、緊張が高まるしかない。
政権が代わるごとに外交安保の方向が変わったのでは協力関係構築も難しい。米国という要を抑えれば、後の国々はついてくるとでも思っているのか。そもそも米国が韓国の安保貢献をどこまで期待するかも不明だ。安定した丁寧な関係づくりこそが緊要なのは言うまでもない。(岩崎 哲)






