トップ国際朝鮮半島与党「国民の力」はどこへ向かうべきか

与党「国民の力」はどこへ向かうべきか

韓国憲法裁判所前で尹錫悦大統領の弾劾 訴追却下を訴える与党「国民の力」の議 員ら=14日、ソウル(EPA時事)
韓国憲法裁判所前で尹錫悦大統領の弾劾 訴追却下を訴える与党「国民の力」の議 員ら=14日、ソウル(EPA時事)

尹氏への未練捨て変化を

尹錫悦大統領弾劾審判の結論が迫っている。早期大統領選挙の可能性が出ており、尹大統領を援護してばかりいられないのが与党「国民の力」の境遇だ。

国会を無力化するために違憲・違法的な非常戒厳を発動した尹大統領の弾劾理由は、大部分が個人的な不正だった朴槿恵元大統領と比較すらできないほど深刻だ。ところが朴元大統領の弾劾には躊躇(ちゅうちょ)しなかった国民の力の議員たちが尹大統領の弾劾は決死で阻止しているのは、街頭で弾劾反対集会を行う強硬な保守層がいるためだ。

国民の力の議員たちは「非常戒厳宣言は誤りだが、大統領の弾劾には反対する」という珍しい主張まで行う。尹大統領と岩盤支持層に振り回されてバランス感覚を失ったのではないかと疑われるほどだ。

尹大統領は釈放されたが、弾劾事態の本質は変わっていない。拘束の取り消しは手続き上の瑕疵(かし)を指摘しただけだ。それなのに国民の力が拘束取り消しを「戒厳無罪」のように主張するのは牽強(けんきょう)付会だ。

弾劾が認容されれば、政局は一気に早期大統領選挙の局面へ転換する。国民の力の大統領候補たちも既に水面下では早期選挙の準備に追われている。今のように弾劾阻止を叫んでいては、弾劾が認容された後、尹大統領の存在が大きな負担にならざるを得ない。「内乱同調勢力」という攻勢に直面することになる。

国民の力は岩盤支持勢力と密着すればするほど中道層は離れるという事実を肝に銘じるべきだ。中道層では弾劾賛成、政権交代の世論がはるかに高い。さらに共に民主党の李在明代表は、中道層を狙って絶えず政策イシューを出している。現在の弾劾政局で中道保守を標榜(ひょうぼう)して減税などの政策イシューを主導するのは李代表だ。

一方、尹大統領の弾劾が棄却されて大統領職に復帰しても、正常な国政運営が可能だろうか。彼の資質と性情に対する疑問が提起されて、2年以上残る任期を全うするには多くの国民の信頼を失った。最近の世論調査も弾劾賛成の世論が60%内外に達する。もし、この民心に反する憲法裁判所の審判結果が出る場合、国民的な抵抗は手に負えないだろう。棄却を主張する洪準杓大邱市長は「棄却されれば混乱、認容されれば戦争」と述べたが、実際には正反対の状況が繰り広げられる可能性がある。

最近の弾劾賛成、弾劾反対集会で賛成集会の人数が相対的に少ないのは、多数の国民が尹大統領の罷免を既定事実と思っているためだ。尹大統領は最終弁論で「残余の任期に恋々とせず、改憲をするのが最後の使命」だと言ったが、民心が受け入れるかは不透明だ。

国民の力が政権維持(再執権)を夢見るならば、これ以上は尹大統領に未練を持ってはならない。一日も早く、新しい変化の可能性を見せなければならない。今の時間は、国民の力の側ではない。

(パク・チャンオク論説室長、3月18日付)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »