弾劾裁判への影響に関心

内乱首謀の容疑で逮捕・起訴され、収監されていた韓国の尹錫悦大統領が8日、52日ぶりに釈放され、ソウル市内の大統領官邸に戻った。前日、ソウル中央地裁が拘束取り消しの決定を下し、検察が即時抗告を放棄したことによるもの。来週にも判決が下りるとみられる尹氏弾劾審判にも影響が及ぶか注目される。
尹氏はこの日、拘置所を出る前にコメントを発表し、「違法を正してくれた裁判所の勇気と決断に感謝する」と述べた。尹氏は拘置所から出る際、移動の車を降りて集まっていた支持者に手を振ってあいさつした。
同地裁は取り消し理由として、高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)に内乱罪の捜査権があるかを巡る明白な法規定がないことなどを挙げた。尹氏に対する捜査では、検察当局の手続きや法的根拠などを巡り批判が上がっていた。
今後、尹氏は在宅起訴の状態で裁判を受けるが、内乱罪については「国家権力の簒奪」には当たらないなどとして憲法学者からも該当しないとする意見が出ている
尹氏弾劾を巡る憲法裁判所の判決は早ければ来週にも言い渡される見通しだが、弾劾反対世論の急増や今回の尹氏釈放などが影響を及ぼす可能性が出てきた。