トップ国際朝鮮半島憲法裁の偏向に批判続出 韓国・尹氏弾劾審判 「判事たち、真実究明せず」 文在寅政権で進んだ左傾化人事

憲法裁の偏向に批判続出 韓国・尹氏弾劾審判 「判事たち、真実究明せず」 文在寅政権で進んだ左傾化人事

「国の悲劇」嘆く判事も

2 月 25 日 、 尹 錫 悦 大 統 領 の 弾 劾 に 反 対 す る 19 万 人 の 嘆 願 書 を 渡 す た め 韓 国 憲 法 裁 判 所 前 で 記 者 会 見 を す る 「 大 統 領 国 民 弁 護 人 団 」 の メ ン バ ー ( 同 団 提 供)
非常戒厳宣言に端を発した韓国の尹錫悦大統領に対する弾劾の可否が今月中にも言い渡される見通しの中、これを判断する憲法裁判所の偏向ぶりに批判が続出している。「法の最後の砦(とりで)」であるはずの憲法裁にいったいどんな問題があるのだろうか。(ソウル上田勇実)

韓国憲法学の権威である許営・慶熙大学碩座教授(卓越した学問的業績などのある識者に大学が与えるポスト)は先日、今回の憲法裁の審理と関連して韓国メディアのインタビューに応じ、まず同裁が理念的に左傾化しているという自身の見解について「一国の大統領罷免の可否を決める審判を何かに追い立てられるように急いでばかりいるからだ。中立性を失った憲法裁の審判が国民の承服を得られるか心配」と述べた。

許氏は、憲法裁の審理上の違法行為は「被告人(尹大統領)の証人尋問参加権を遮り、陳述を変えた証人を証拠として採択するなど一つや二つではない」とし、「裁判官8人が真実を明らかにする努力をせず、拙速に進めたことは指弾を受けて当然」と指摘した。

事の発端となった尹氏による非常戒厳宣言について許氏は「確かに国民目線に合わない戒厳を宣布したが、国会の解除要求を大統領が受け入れたことで一段落した」と述べた。

当初野党が主張した内乱罪については「現職大統領が(刑法上の内乱罪に規定される『故意による国家権力の排除、憲法を乱す目的の暴動』に当たる)国家権力の簒奪を図るなど話にならない。憲法を乱したと言うなら29回の弾劾や4兆ウォン以上の国家予算削減で、国政を麻痺(まひ)させた共に民主党の責任の方がもっと大きい」と断じた。

戒厳令当日の映像に衝撃を与えた、軍隊による国会突入にも許氏は言及。「わずか200人の軍人が武装もせず動員された。私が思うに国家緊急権の過剰行使ではあるが、これ(くらいの事態)を内乱罪で処罰した例は世界憲政史にない」と語った。

判事出身である与党・国民の力の羅卿●議員は多数の与党議員らと憲法裁を抗議訪問した際、「客観的法律家の良心に戻れ」と促したが、判事たちが電撃的に審理の過程で見せた“所信”を変えるかは不透明だ。現在、8人いる判事をまとめる文炯培・所長代行は「体制転換をもくろむウリ法研究会」(元検事幹部)という左派系判事の集まりの出身で、尹氏弾劾の先頭に立つ共に民主党の李在明代表に近いとされる。

そしてより深刻なのは、8年前に朴槿恵大統領の弾劾を進め、その勢いで当選した文在寅大統領の時期から憲法裁をはじめ韓国司法の左傾化が進んだとみられていることだ。

大手月刊誌はこのほど特集記事で、ある地裁の現職副裁判長の話を紹介している。

「憲法裁は大統領の運命を左右できる。朴槿恵弾劾を見た文大統領は大法院(最高裁)と憲法裁に自分の考えに同調する人を推薦しようとし、実際にそうなった」

「政党が政治色を持つように憲法裁も暗黙のうちに政治色を受け入れざるを得なかった。大韓民国の悲劇だ」

憲法裁は「合法性に加え、裁判結果が社会安定を促すか否かの合目的性も合わせて判断する」(許氏)ため、世論の動向を無視できないと言われる。先月末に韓国ギャラップが実施した世論調査で「弾劾反対」は35%にとどまり、「弾劾賛成」の59%を大きく下回った。ただ、反対派の結集度は高まっており、「弾劾認容」となった場合、韓国社会の分裂と混乱はさらに深まることが予想される。

韓国の各界識者100人は先月24日の時局宣言で、尹氏が弾劾の瀬戸際に立たされた現況を「自由民主的基本秩序が崩壊しかねない絶体絶命の危機」と位置付け、警鐘を鳴らした。

野党は憲法裁で欠員だった1人を左派系判事の任命で埋めるよう政府に迫るなど、弾劾可決に必要な6人固めに躍起。判決は早ければ今月中旬にも言い渡される見通しだ。

●=王へんに援のつくり

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