【ポイント解説】更新されない誤解
去年わが国を訪れた韓国人は900万人に迫った。彼らが撮った日本紹介映像が動画サイトに溢(あふ)れている。「親切、丁寧、清潔、繊細、落ち着き、美味」などと日本を称賛する。
だが、これは主に20代30代の若者だ。メディアや政治の世界での対日認識はほとんど変わっていない。更新されていないのだ。誤解例を挙げると、高校教科書で「侵略」を「進出」に書き換えたことはなく、これは誤報だった。「村山談話で日本が公式に謝罪した」というが、昭和天皇をはじめとして日本の首脳による謝罪は「数十回」だと尹錫悦大統領も認めている。「慰安婦」「徴用工」問題は1965年の請求権協定で解決済みだ。
佐渡金山の展示でも当時、朝鮮人が危険な坑内作業に従事したことや、寮から逃亡したり、労働環境の過酷さを示す記録はなされている。「追悼式に靖国神社参拝の履歴がある人物を出席」させた事実はなく、報じた共同通信は誤報だったと認め訂正謝罪している。
メディアが不正確、否、虚偽を書いてはならない。ましてやその前提で「正常化60年」を迎えようとは無理な話だ。
韓国が日本から引き出したがっている「誠意ある態度」とは何か。「元徴用工」に対する「補償」の一部を民間から出せと言っているのだ。解決済みの問題を一方的に掘り起こし、大騒ぎして、一人で“解決策”を作り、断りなく請求してきているにすぎない。
「終戦80周年談話」にどうして対戦国でもなかった「韓国の考えている内容」が盛り込まれなければならないのか。せめて事実を土台に共通の文法で対話をしたいものだ。(岩崎 哲)