トップ国際朝鮮半島憲法裁判所は法と良心に基づく判決を【韓国紙】

憲法裁判所は法と良心に基づく判決を【韓国紙】

3日、ソウルの韓国大統領公邸近くに集まった尹錫悦大統領の支持者ら(時事)
3日、ソウルの韓国大統領公邸近くに集まった尹錫悦大統領の支持者ら(時事)

憲政を守る指導者なし

全世界が政治的大渦に陥った大韓民国を見守っている。先週末、大統領官邸周辺では逮捕令状を執行しようとする捜査当局と、これを防ぐ警護処(庁に相当)との対峙(たいじ)、また賛成および反対勢力の場外集会がリアルタイムで中継された。

これは軍隊を動員して憲法機関を脅迫した非常戒厳事態で「内乱の首謀者」容疑を受ける尹錫悦大統領が自ら招来したことだ。指導者の誤った判断と妄想がどのように国家の地位を一瞬にして地に落とし、国民を分裂させるのかを私たちは目撃している。

より一層、絶望的なのは崩壊直前の“法治の堤防”を守ろうとするただの1人もいないということだ。憲法の価値、憲政秩序と法治主義は保守主義の根幹だと信じる。憲法の守護を宣誓した大統領が警護員たちと熱烈な支持層を盾にして捜査に応じず、「最後まで戦う」「必ず勝利する」のような街頭デモの主導者が言いそうなメッセージを出すとは思わなかった。

傷ついた憲政を正さなければならない与党・国民の力の指導部は大統領と憲法のうち大統領を選んだ。野党の元議員がかつて大法院(最高裁)の有罪確定判決に対して言った「歴史と良心の法廷では無罪」との詭弁(きべん)は左派の“無恥”と片付けたのにだ。

いま龍山と与党指導部のありさまを見れば捜査当局がどんな結果を出しても、司法府がどんな判断を下しても、これに頷(うなず)くだろうか。「権限代行の代行体制」までつくって早期大統領選挙の実施に汲々(きゅうきゅう)とする巨大野党の無責任さは“法治後退”の名分にはなり得ない。

与党の人々の言葉のように憲法裁判所が弾劾審判審理を拙速にすることはあってはならない。巨大野党の政治的な計算や場外の賛成・反対の圧力は変数とはなり得ない。憲法を救うただ1人の指導者も見えない状況で、憲法裁判所だけが、憲法だけが紛争の渦中に陥った私たちを救うことができるためだ。

李悰錫(イジョンソク)前憲法裁判所長は昨年10月に退任する時、「司法の政治化を警戒し、裁判の独立を実現するよう努力しなければならない」と注文した。ささいなことで権限争議審判、弾劾審判を提起する「政治の司法化」現象が「司法の政治化」として現れる心配を指摘したのだ。

憲法裁判所の裁判官8人を誰が推薦したかによって政派的判決が出るだろうという予断は、政界の陣営論理だ。裁判官は憲法第103条に従って「憲法と法律によってその良心に従い、独立して審判」する義務を負うだけだ。

尹大統領は米バイデン大統領の訪韓時に贈られた“The buck stops here”(全責任は自分がとる)と書かれた盾を格別に大事にしたという。常に龍山の執務室の机の上に置いたその盾は有名無実となった。今は憲法裁判所がすべての責任の重さを背負う時である。

(黄政美編集人、1月7日付)

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