トップ国際朝鮮半島誇大妄想、確証バイアスに崩れた尹氏【韓国紙】

誇大妄想、確証バイアスに崩れた尹氏【韓国紙】

韓国国会に尹錫悦大統領の弾劾訴追案を提出する野党議員=12日。ソウル(EPA時事)
韓国国会に尹錫悦大統領の弾劾訴追案を提出する野党議員=12日。ソウル(EPA時事)

理性的判断であり得ない戒厳

「私は朴槿恵元大統領と違う」。尹錫悦大統領は野党が弾劾に言及すると激怒したが、結局、虚言になってしまった。尹大統領は14日、国会の第2次弾劾訴追案の可決で憲法裁判所の審判台に立つ運命を迎えた。朴槿恵元大統領を反面教師にしていれば、避けることができた悲劇だ。

国民には気掛かりなことがある。尹大統領のどのような心理状態だったら、非常戒厳が“切迫した”状況だと認識し、戒厳が成功すると誤った判断をしたのかだ。

尹大統領は対国民談話で「戒厳は野党の反国家的凶悪を止めるための警告用」と強弁したが、強引なこじつけだ。共に民主党の立法暴走は当然、叱責を受けなければならない。李在明代表の“司法リスク防弾”のために特別検察官法案と長官(閣僚)などの弾劾訴追案を乱発したことは、議会民主主義を傷つけた。

だが、それは憲法65条に伴う政治行為だ。それを解決する方法も憲法の範疇(はんちゅう)内でなければならない。権限を乱用したとすれば、憲法裁判所の決定で正して、国民が選挙で審判すれば良いことだ。

尹大統領の違憲的戒厳は理性的判断であるはずがない。政治的難関を突破するために国会に軍隊を投じたことは、確証バイアスの政局認識だとしなければ説明がつかない。

尹大統領はゴリゴリの尹支持者と金龍顕前国防部長官(国防相)など、側近グループとだけ疎通し、保守系ユーチューブに過剰にのめり込んでいたと伝えられる。聞きたい声だけを聞き、見たいことだけ見るのだから、ストレス解消には役立っただろうが、国民の目線に合った常識的なリーダーシップを発揮するのは難しい。

中央選挙管理委員会の電算システムの点検のために軍隊を送ったことはもっと理解できない。自ら一部勢力の不正選挙陰謀論に傾倒したと告白したも同然だ。「不正選挙はシステム上、不可能だ」というのが中央選管委の説明だ。誇大妄想の危険性がどれくらい大きいか、今回の事件は如実に示している。

尹大統領は保守陣営に打撃を与えて次期大統領選挙の展望を暗くした。背信者フレームは与党「国民の力」を分裂させ得る雷管として作用するだろう。

一方で、尹大統領の“自爆”戒厳は陳重権(チンジュングォン)光云大教授の表現の通り、公職選挙法違反の1審有罪宣告で死にかかっていた李在明代表を生かしてしまった。憲法裁判所が尹大統領弾劾を認める場合、後任を選ぶ大統領選挙が行われる。万一、李代表が裁判遅延で司法リスクを覆って政権を取れば、国際社会が肯定的に評価するか疑問だ。賢明な国民の選択に国家の未来が懸かっている。

(金煥基(キムファンギ)論説室長、12月17日付)

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