
韓国ならではの光景も
【ソウル川瀬裕也・宇野泰弘】
韓国国会で尹錫悦大統領の弾劾訴追案が可決された14日、首都ソウルでは、弾劾を求めるデモと、弾劾反対集会が同時に行われ、双方が熱気に包まれた。

同日午後、汝矣島の国会議事堂前広場には大勢の人がなだれ込むように集まり、「大統領を弾劾せよ!」と大声を上げた。集まった人々の手には弾劾を求めるプラカードや光るペンライトなどが握られ、会場のあちこちに労働組合などの横断幕が張られていた。
はじめてデモに参加したという男子大学生は「民主主義を守るために来ました」と誇らしげに語った。終始険しい表情を見せていた50代女性は、「大統領に好き勝手はさせられない」と声を荒らげた。
【尹大統領の弾劾訴追案可決】
— 世界日報 (@TheSekainippo) December 14, 2024
国会議事堂前では「尹錫悦 弾劾!」が絶えず叫ばれていた。#韓国 pic.twitter.com/C0VBUyzgj3
午後4時過ぎ、国会で審議が始まると、大衆はますますヒートアップ。弾劾可決の一報が会場に響き渡ると、この日最大の歓声が沸き起こり、直後、シュプレヒコールは「逮捕せよ!」へと変化した。
一方で都心部の光化門広場では、与党支持者や保守系団体らによる弾劾反対集会が行われていた。太極旗(韓国旗)や星条旗(米国旗)を手に集まった参加者らは、「われわれが大統領を守る」と声を上げた。集会に参加した70代男性は「このまま野党が主導権を握ると、韓国が共産化してしまう」と危機感をあらわにした。

それぞれの会場には、Kポップを歌いながら抗議する姿や、デモで使用するグッズを購入する姿など、韓国ならではの光景が広がっていた。

