トップ国際朝鮮半島尹氏弾劾なら日朝会談か 北朝鮮・金正恩氏  「関係改善の障害」の行方注視  東京・平壌連絡事務所に「肯定的」

尹氏弾劾なら日朝会談か 北朝鮮・金正恩氏  「関係改善の障害」の行方注視  東京・平壌連絡事務所に「肯定的」

東京・平壌連絡事務所に「肯定的」

12日、ソウルで談話を発表する韓国の尹錫悦大統領 (大統領府提供)(AFP時事)

【ソウル上田勇実】北朝鮮消息筋が12日本紙に明らかにしたところによると、北朝鮮の金正恩総書記が先月、外務省、朝鮮労働党35号室(偵察総局海外情報局)、10局(旧統一戦線部)の責任者会議で、石破茂首相と韓国の尹錫悦大統領の親密な関係が続けば、韓国が日朝関係改善の障害になるとの認識を示した。

尹氏は先週の「非常戒厳」宣言などで混乱を招き、自身に対する国会での2回目の弾劾訴追案採決や内乱罪などに関する捜査が予想され、すでに国政運営のリーダーシップを発揮できない状態。正恩氏の発言は、尹氏が弾劾や逮捕などで職務が停止したり制限される場合、石破氏に首脳会談を持ち掛ける可能性があることを示したものと言える。

正恩氏は会議で、「石破首相が尹大統領との緊密な協力体制を目指すなら、韓国は日朝関係の改善を妨害することになる」ため、「その行方をよく見てわれわれ(北朝鮮)が石破政権と日朝関係を話し合うか否か判断できる」と言及したという。

韓国政府は「日朝が韓国を頭越しで関係改善に動くことを嫌い、これを妨害しようとしてきた」(日本政府筋)経緯がある。

また正恩氏は、首相が過去の植民地支配に対する謝罪や日本人拉致問題解決に向けた東京・平壌の連絡事務所設置に言及したことを「肯定的」と評価した上で、昨年、日米韓首脳が安保協力の強化で合意した「キャンプ・デービッド原則」に対する首相の立場、日韓間の軍事協力体制の有効性に関する首相の発言を「鋭く注視すべき」だと指摘したという。

首相は先月、南米ペルーで尹氏と首脳会談し、北朝鮮による核・ミサイル開発やロシア派兵を含む露朝軍事協力に対する深刻な懸念を共有し、米国を加えた3カ国の緊密な連携強化を確認していた。

北朝鮮は非常戒厳宣言から1週間後の10日、労働新聞などで混乱する韓国の現状を写真付きで初めて報道。「尹氏弾劾の行方を含む韓国情勢を見極めた結果、自分たちの体制優位を宣伝する上で有利な状況まで至ったと判断した」(南成旭(ナム・ソンウク)・高麗大学統一融和研究院長)とみられる。

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