トップ国際朝鮮半島「政治的責任」負わせることを優先せよ【韓国紙】

「政治的責任」負わせることを優先せよ【韓国紙】

韓国の尹錫悦大統領=3日、ソウル(大統領府提供)(AFP時事)
韓国の尹錫悦大統領=3日、ソウル(大統領府提供)(AFP時事)

傷つけられた韓国の憲政秩序

12月3日の非常戒厳宣言の衝撃だけでなく、それ以降伝えられた「間違っていない」という尹錫悦大統領の発言には耳を疑わせる。戒厳宣言4日後に短く発表した対国民談話でも尹大統領は自身の誤った判断を認めなかった。「国政最終責任者としての切迫感」を強調して国民に不安、不便を及ぼした点だけを謝った。

戒厳宣言文で明らかにした通り、国会は「犯罪者集団の巣窟」であり「自由民主主義体制を転覆させようとする反国家的勢力、怪物」という認識に変化がないということだ。

相手を「壊滅しなければならない敵」とする韓国の極端政治文化は今に始まったことではないが、軍隊を動員して議会制民主主義と国民の自由を抵当にして鉄拳統治を振り回すという指導者が出てくるとは思わなかった。そのような発想が即興的で一時的衝動から出たのではなく、在任期間に蓄積された怒りから始まったという点で悪質だ。

4月の総選挙で圧倒的惨敗に終わった尹大統領は2年近く会わなかった共に民主党の李在明代表と1度会合した。ただ、それだけでは考えは変わらなかった。支持率が低落しているにもかかわらず韓東勲与党代表との不仲は解消されず、“金建希リスク”のどん底から抜け出すことができなかった。そして、この全ての不利な状況を転覆するための手段として側近らと戒厳を企てた。

政界内外で帝王的大統領制の失敗が言われている。ある程度同感する。孤立した構造の大統領府であれ、四通八達の龍山であれ、大統領が居住する場所と関係なく、内気とか外向的とかの気質も関係なく、大統領の末路は惨めだった。

与党議員はこういう大統領制での「李在明政権」発足反対を弾劾拒否の名分としている。第2の積弊清算、第2の反民族特別調査委の暴風で国論分裂がさらに深刻になるからという主張だ。

だが、今は権力構造、制度問題を取り上げる時ではない。大統領選挙の時期を天秤(てんびん)に掛けて政治的実益を得ようとする時でもない。尹氏の言葉の通り「法的・政治的責任を負う」ことが優先だ。1987年改憲のおかげで国会に戒厳解除要求権限ができたように、2024年非常戒厳事態で帝王的大統領にどんな法的タガを嵌めるかは今後議論する懸案だ。

「内乱罪被疑者」と大統領が呼ばれる状況で、誰がどのように大韓民国の憲政秩序を傷つけたのかを明らかにし、相応の責任を負わせることが、衝撃と喪失感に陥った国民にとって、せめてもの慰めだ。

(黄政美編集者、12月9日)

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