トップ国際朝鮮半島共学検討に女子大生猛反発 背後に急進フェミニストか 韓国

共学検討に女子大生猛反発 背後に急進フェミニストか 韓国

ソウル市にある同徳女子大キャンパス正門。共学反対の 立て看板などがぎっしりある=9日
韓国主要女子大の一つである同徳女子大学(ソウル市城北区ほか)が共学問題で大揺れだ。学校側の「男女共学検討」が明らかになると、在学生が反対デモに乗り出した。構内はスプレーの落書きメッセージや講義室の占拠、教授のつるし上げまで横行し、30年前の左翼学生運動を彷彿(ほうふつ)とさせた。いったい何が起きたのか。(ソウル上田勇実、写真も)

「消滅することがあっても開放しない」

これは同徳女子大の正門前に立て掛けられた看板に書かれた赤字のスローガン。深刻な少子化で女子だけの募集では財政悪化を改善できないと判断した大学側が、一つの選択肢として共学を検討し始めたことに対する学生たちの怒りだ。「このまま女子大であり続けて財政破綻に陥り、大学がなくなる憂き目に遭ったとしても、男子学生には学校の門戸を開放しない」という意味だ。

事の発端は先月初めに教授たちやSNS上の匿名コミュニティーを通じ、学校側が共学への転換を進めるといううわさが出回ったからである。実際にはまだ決定事項ではなかったというが、「学生に隠したまま共学を進めようとした」という臆測まで広がった。構内では全在学生の3割ほどが参加し、表決でほぼ100%が共学反対を支持する総会も行われた。

デモは多様な方法で行われた。校舎の壁やガラス、歩道などへのラッカースプレーによるメッセージの落書き、正門の立て看板や構内の弔花、創立者銅像や初代理事長胸像の毀損(きそん)、授業に出席しようとする学生に対する妨害、講義室をはじめキャンパス全域での出入り封鎖・占拠…。

音楽学部管弦楽学科では、期末考査に相当し就職活動にも影響を与える卒業演奏が同校の音楽ホールで行われたが、担当教授が学生たちから共学反対の声明文を読み上げさせられ、これに同意することを条件にホールに入ることを許され土下座までさせられるつるし上げがあったという。

この騒動で大学の授業は対面ができなくなり、ほぼオンラインに転換。しかもそのオンライン授業に出席した学生さえも「キャプチャーする」と言って脅された。「大学はもちろん、ここ何年間にあった韓国のデモの中でも相当過激な部類」(韓国メディア)だ。

学生たちはなぜここまで共学に反対したのか。韓国の大学生事情に詳しい20代のある関係者はこう話す。

「女子大に入ってくる学生たちには、女性の権益向上やジェンダーフリーを主張するフェミニズムに染まっている人が多いのも事実。SNS上では『男性がいない世の中に暮らしたい』という彼女たちの本音を頻繁に目にする」

ただ、共学検討が明らかになってわずか数日の間で、普段はデモに慣れていない学生たちが組織的とも言える反対運動に加担した。不自然と言わざるを得ない。

この点について有力誌「週刊朝鮮」は、平素から男性嫌悪的な「ラディカル・フェミニズム」を標榜(ひょうぼう)する校内サークルの存在に着目している。「(学生サイドの大学運営を主導する)総学生会と大学当局との話し合いが決裂すると、同サークルの提案で『総力対応委員会』が発足し、キャンパス占拠や授業ボイコットを宣言」した。その委員会のトップには「総学生会の会長ではなく、同サークルの教育チーム長」がなったという。また一部では外部のフェミニスト団体の関与を疑う声もある。

学生の総意とは別に少数の急進的フェミニストが同大の過激デモを主導した可能性があるわけだ。

学校側が学生の建物籠城などを違法行為と見なし法的対応に乗り出したことで、ようやく学生たちは校舎の封鎖・占拠を全て解除し、事態は一段落した。だが、学校のイメージダウンは必至で、就活に影響が出る学生もいるとの見方もある。

大統領直属の国家教育委員会で少子化対応教育改革特別委員を務める金泰一氏は本紙に「共学検討は少子化社会で大学が検討すべき当然のオプション。成熟した話し合いができず、あのように過激な反応をする姿は、大学だけでなく韓国社会全体が抱える課題を浮き彫りにしている」と指摘した。

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