トップ国際朝鮮半島軍が司法・行政など国政全般掌握する戒厳【韓国紙】

軍が司法・行政など国政全般掌握する戒厳【韓国紙】

韓国国会付近の警察車両=4日未明、ソウル(時事)
韓国国会付近の警察車両=4日未明、ソウル(時事)

要件に合わず、歴史は後戻り

「戒厳」というのは戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態で公共の安寧秩序維持のために行政・司法権を軍へ移管して憲法に保障された国民の基本権を制限することをいう。

戒厳宣布権は大統領にあり、国防部長官または行政安全部長官が国務総理を経て大統領に建議することができる。偶然にも尹錫悦大統領と金龍顯国防部長官、李祥敏行政安全部長官など戒厳の鍵を握っているのが全員、沖岩高の同窓だ。

戒厳は国家的な危機状況で発動されるという点で緊急処分や緊急命令と似ているが、戒厳は兵力を動員して国民の基本権を直接的に制限するという点で差がある。現在は戒厳宣布に対する国会の事前・事後同意関連規定がなく、国務会議(閣議)の審議を経れば宣布または変更が可能だ。

ただし憲法と戒厳法によれば、戒厳宣布時、遅滞なしに国会へ通告しなければならず、国会が在籍過半数の賛成で解除を要求すれば大統領はこれに従わなければならない。これを事実上「事後承認」と見る視点もある。

現在、野党が過半の議席を確保しているので理論的には戒厳解除が可能だが、尹大統領が3日深夜に緊急記者会見で宣布した非常戒厳の場合、戒厳司令部が最初の布告令で直ちに国会と政党活動など一切の政治活動を禁止した。

戒厳には非常戒厳と警備戒厳の2種類がある。今回は非常戒厳で、令状実質審査制度や言論・出版・集会・結社の自由、政府や裁判所の権限に関して特別な措置を行うことができる。治安維持の目的が強い警備戒厳と違って、非常戒厳は令状主義と表現の自由を直接制限して、重要犯罪を軍事裁判所で裁くなど、行政・司法機能を強く統制することができる。

李仁皓中央大教授は「警察力で秩序を保つことができない極度の混乱状況で軍を投入するのが戒厳だが、今回は戒厳発動要件は満たされていない」と指摘した。他のロースクールの教授も「5・16軍事クーデター(1961年、朴正煕少将が起こす)、10月維新(72年、朴大統領が行う)、5・18光州民主化運動(80年、光州事件)当時の非常戒厳のように要件に合わない戒厳だ。歴史がこのように後戻りしてはならない」と話した。

非常戒厳宣布と同時に戒厳司令官は戒厳地域のすべての行政・司法事務を管掌する。今回のように全国を対象にした戒厳の場合には、大統領が戒厳司令官を指揮・監督して、国家政策に関係する事項は国務会議の審議を経なければならない。

韓国歴史で戒厳令は合計16回宣布され、非常戒厳は12回あったと把握される。済州四三事件(48年)、5・16軍事クーデター、10月維新、釜馬民主抗争(79年)、光州事件等、分断と屈曲した民主主義の歴史の中で政権が大衆の抵抗を押さえ込む時、非常戒厳が動員された。

(ユ・テヨン、キム・ナヒョン記者、12月4日)

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