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地に落ちた韓国政治のリーダーシップ【韓国紙】

記者会見する韓国の尹錫悦大統領=7日、ソウルEPA時事)
記者会見する韓国の尹錫悦大統領=7日、ソウルEPA時事)

与野党トップ難関に直面

ドイツの政治・社会学者、マックス・ウェーバーは政治指導者が備える資質として、大義に献身しようとする熱情、責任意識、バランス感覚、権力意志を挙げた。この目録にはないが、現代政治において重要度が倍増した政治家の資質は「民心を読んで共感する能力」だ。

国民の支持率が20%を行き来して「非好感」のレッテルが貼られた尹錫悦大統領には、これらの基準を突き付けるのも恥ずかしいほどだ。公職選挙法事件の1審で国会議員職を喪失する刑を宣告された共に民主党の李在明代表も同じだ。政府と議会の権力を握る彼らが政治の堕落を主導するのが韓国の現住所だ。権力意志が強いだけで、それを正しく行使しなかった結果だ。

尹大統領は政治ブローカー明太均(ミョンテギュン)の泥沼に深くはまっている。明氏と国民の党の金映宣(キムヨンソン)前議員が2022年6月、慶尚南道昌原市義昌の補欠選挙の候補者推薦に関連して金品をやりとりした容疑で逮捕された。明氏との通話録音が公開されており、検察の尹大統領捜査は避けられない。

さらに慶尚北道浦項市長とソウル江西区長の公認要求も暴露された。公認介入疑惑が“大義のための行為”なのか問わざるを得ない。冷徹なバランス感覚があれば、避けられたミスではないか。金建希夫人への特別検事任命法(特検法)も大統領を締め付けている。

一方、李在明代表はもっと険しいイバラの道が待っている。裁判所が公職選挙法違反容疑に対し懲役1年執行猶予2年を宣告して、政治生命の最大の危機を迎えた。大法院(最高裁)の確定判決が出れば次の大統領選挙出馬が不可能になるという懸念は、民主党を大混乱に陥れた。李代表の司法リスクの人質に取られた巨大野党の素顔だ。

ところが李代表は「結局、民心と歴史の法廷は永遠だ。納得し難い結論」だと述べた。事必帰正(事は必ず正しい方向に帰る)の判決だという多数の民心とは相反する。責任倫理の欠如という議論が高まるほかない。

今月25日に偽証教唆事件の判決が下される。民主党はこれまで多数議席を前面に出して裁判所に脅す一方で、予算を246億ウォン増やすニンジンを示したが、司法府は動じなかった。

問題は尹大統領と李代表が難関突破の解決法を「敵失」に求めようとしているところにある。李代表は政権退陣運動に火力を集中させ、大統領室は李氏有罪宣告で金夫人への特検任命圧力が弱まるものと期待しているようだ。これで難関から抜け出す道が開かれるだろうか。

尹大統領の慢性病である民心を読めない、共感能力不足、反応の遅れを治さなければ道はない。大きく変わらなければ尹大統領の正常な下山(大統領退任)は難しい。李代表も防弾に公党を利用することをやめて、民生立法の処理に邁進(まいしん)するべきだ。有罪判決を出した判事を弾劾したり、裁判の遅延に全力を注ぐ戦略は逆効果を生み、墓穴を掘ることになることを悟らなければならない。

(金煥基論説室長、11月19日付)

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