【ポイント解説】北朝鮮は実戦経験を積む
北朝鮮のロシア(ウクライナ戦線)派兵は韓国に衝撃を与えた。兵力が足りないロシア軍に北朝鮮は兵士をレンタルしたのだ。見返りは核・ミサイル技術の提供だけではない。国連の追加制裁をロシアが拒否権を使って阻止したり、武器弾薬補給のために北朝鮮から購入するなどして、朝露両国は関係を緊密化させていく。
同じような光景を想起する。韓国はかつて“南ベトナムを支援するため”ベトナム戦争に兵士を投入した。猛虎、白馬、青竜部隊として知られ、ベトコンは米軍よりも恐れたという。「共産主義と戦い、自由と民主主義を守る」という“大義”の他に、「韓国動乱で共に戦った米軍への恩返し」の派遣だった。
同時に実利も計算されていた。戦争特需とこの時期に進展した日本との国交正常化によって韓国経済は復興のきっかけを掴(つか)み「漢江の奇跡」に向かっていったのだ。
北朝鮮にとってウクライナ戦争がかつての韓国と同じような効果・実利をもたらすのかは不明だし、猛虎部隊などのような活躍をするのかも分からない。一つ確実なことは、たぶん多大な犠牲を払うことになりながらも、北朝鮮軍は実践経験を積むということだ。
北朝鮮は韓国を「敵国」と規定し、南北を繋(つな)いでいた鉄路、道路を破壊し、障害物を築いて一切の交流を遮断した。これだけ見れば戦争準備のように見えるのに加えて、兵士を実践訓練にまで出した。
一方の韓国は日米と共に共同訓練を繰り返して備えている。しかしそれは所詮(しょせん)訓練だ。戦場で血のにおいを嗅いできた兵士との差は大きいに違いない。近代兵器を駆使しても、最後は兵士がその地に乗り込んで制圧する。そのさまは想像すらしたくないが、政争に明け暮れている韓国政治が「自由民主主義」云々(うんぬん)していて済む話ではないのは確かだ。(岩崎 哲)





