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【韓国紙】多文化・多人種国家の準備はできたか

大韓赤十字社ソウル支社西部奉仕館で開かれた「みんなで学校秋夕祭り」で多文化女性たちが餅つきをしている=9月5日、ソウル市陽川区(セゲイルボHPより)
大韓赤十字社ソウル支社西部奉仕館で開かれた「みんなで学校秋夕祭り」で多文化女性たちが餅つきをしている=9月5日、ソウル市陽川区(セゲイルボHPより)

総人口の4・8%は外国人住民

韓国内で働く外国人介護士の65%ほどが中国同胞(中国の朝鮮族)である。国内在住外国人労働者の相当数が韓国人の忌避する「3D」(きつい、汚い、危険)職種で働いている。

農業、漁業、製造業、建設業などの産業現場は外国人労働者なしでは支えにくい構造になった。農村はベトナム人、造船所はウズベキスタン人、引っ越し業界はモンゴル人がいなければ回らないという言葉が広く知られて久しい。地方大学は中国など外国人留学生がいなければ運営が難しいほどで、既に全羅南道霊岩と忠清北道陰城は住民5人に1人が外国人だ。

昨年、韓国に3カ月以上居住した外国人が246万人を記録し「歴代最多」を更新した。国内人口の4・8%で、100人中5人が外国人であるわけだ。経済協力開発機構(OECD)は総人口のうち外国人住民の割合が5%を超えると「多文化・多人種国家」に分類する。アジア初の多文化国家入りが秒読みに入ったのだ。2050年には国内人口の10人に1人が外国人や外国人2世、帰化韓国人というほど比重が大きくなる見通しだ。

それでも外国人住民に対する韓国人の認識水準は非常に低い。国家人権委員会の「2022年人権意識実態調査」によれば、回答者の半分以上が「私たちの社会が外国人住民に対して嫌悪、または差別的な態度を持っている」とした。10人に3人は外国人住民が隣人になるのを嫌がった。

女性家族部(部は省に相当)の「2021年国民多文化受容性調査」を見ても、成人の多文化受容性は52・27点で、18年(52・81点)、15年(53・95点)より後退している。外国人住民が「人種差別が激しい」と批判するのも無理はない。

事情がこうであるのに、移民・多文化政策は足踏み状態だ。外国人管理業務は司令塔もなく約10部処に分散している。現在、法務部が移民者と外国籍同胞(韓国人)、雇用労働部は外国人労働者、女性家族部は結婚移民者と多文化家族、外交部は在外僑胞(きょうほう)(海外在住韓国人)を対象にそれぞれ政策を推進している。これでは政策の統一性が低下し、衆口難防(多くの人の悪口を防ぎ難い)という批判を避けるのは難しい。

世界最高の少子高齢化国家で外国人の人材誘致は選択でなく必須だ。国内の生産可能人口は急激に減っている。移民政策は単純な労働力の流入でなく、私たちの社会と共同体の変化を伴うことだ。国民認識の改善が最も重要だ。単一民族論理にとらわれて外国人住民を出身国や容貌、宗教などを理由に差別してはならない。

外国人住民は必ず必要な私たちの隣人であることを認めて、積極的に包容しなければならない。それでこそ、真の先進国入りができるだろう。

(蔡禧昌論説委員、10月28日)

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