圧倒的軍事力と団結が不可欠
北朝鮮の金正恩総書記は今月17日、人民軍第2軍団の指揮部を訪問し、15日の京義線・東海線の南北連結陸路爆破に言及し、「単純な物理的閉鎖だけを意味しない」と強調したと朝鮮中央通信が報道した。
この席で金総書記は大韓民国を敵国、他国だと呼んで、「われわれの主権が侵害されれば、物理力がこれ以上の条件に拘(かか)わらず、ためらいなく使われ得ることを知らせる最後の宣告」だと威嚇した。
特に朝鮮中央通信が公開した写真の中で、金総書記は作戦指揮室と推定される所を訪ね、大型地図を机の上に広げて何かを指さしていた。この地図には「ソウル市」などの文字が書かれていることが確認された。これから推測すると、地図には第2軍団のソウル占領などが明記されているものと推定される。北朝鮮が緊張のレベルを最大値に引き上げて、対南武力挑発が差し迫ったのではないかとの憂慮が大きくなっている。
北朝鮮は今月7、8日、最高人民会議を開いて憲法を改正したが、金総書記の「敵対的な二つの国家」関係を入れたことを初めて公式に確認したのだ。南北を平和統一に向かう同族間の特殊関係と規定した対南路線を完全に廃棄した、反統一的・反民族的な策動だ。
北朝鮮の言語の挑発などはまだ“言葉の爆弾”レベルにすぎない。だが、陸・海上の軍事境界線で挑発を敢行して韓国内の対立を助長し、軍の対応態勢を“様子見”する可能性を排除できない。北朝鮮がかつて天安艦(韓国の哨戒艦)撃沈事件や延坪島砲撃を敢行した前歴を忘れてはならない。
北朝鮮は軽挙妄動してはならない。自分たちの不満を極端に表出する、こうした方式で得るものは何もないという事実を肝に銘じなければならない。戦争を仕掛けてくれば、数日のうちに北朝鮮は焦土化されるという韓国軍の警告が言葉遊びでないという事実を忘れてはならない。
われわれは冷静かつ断固たる対応で、北朝鮮が挑発する気になれないようにしなければならない。韓米同盟と韓米日安保協調を格上げして、北朝鮮の核・ミサイル等の軍事挑発を阻止するための拡大抑止能力を強化しなければならない。
韓国の内部分裂も警戒しなければならない。北朝鮮の「韓国無人機侵入」主張に、南北ともに責任があると言った野党の(南北双方に非があるとする)“両非論”はあり得ないことだ。韓国内部の対立は北朝鮮の狙いに巻き込まれる格好だ。韓半島平和を守り抜きたいのなら、圧倒的な軍事力と団結された対応態勢が必要不可欠だ。
(「論説室の観点」10月19日付)