【ポイント解説】期待される韓国作家の奮起
韓江氏のノーベル文学賞は韓国民が待ちに待った受賞だった。金大中大統領の「平和賞」は「数のうちに入らない」と酷評され、人文科学分野での受賞こそが願われていたからだ。
祝賀と同時に批判も始まった。作家が左派指向であり、作品も韓国現代史で評価の分かれる題材をもっぱら左派的視点から取り上げたものが多いためだ。さらに「翻訳の力」だとか、ノーベル委員会の理念的偏向だとか、保守派からすれば突っ込みどころが満載である。
「翻訳の力」は事実として評価すべきだろう。韓国はK文学を世界に送り出すために翻訳に力を入れてきたのは事実なのだから。今回その成果が出たことを正当に位置付けるべきだ。文学賞や平和賞におけるノーベル委員会の“偏向”は議論されるべきことで、これは韓江氏だけに限ったことではない。
本来、慶事として祝えばいいのに、国論が二つに割れて、中傷すら飛び出すのが韓国の現状である。大江健三郎の時の日本はそこまで受賞を貶(おとし)めるコメントは出なかった。
さて、オム社会部長は読書を勧めているが、昨年、韓国の成人10人のうち約6人が1年間、本を1冊も読んでいないというのが“文の国”韓国の惨憺(さんたん)たる状況である。今回をきっかけに一時的には読書熱は沸騰するだろうが、残念ながら、すぐに冷めるのは目に見えている。熱しやすく冷めやすいことは「NOジャパン」などがすぐに忘れられたことでも証明されている。
その一方で村上春樹、東野圭吾、吉本ばなな、等々、日本作家の人気は底堅い。書籍チェーン「教保文庫」では2018年に販売された日本作家本のシェアが31%で韓国作家(29・9%)を上回ったという。韓国作家の奮起が期待される。(岩崎 哲)







