周期的・組織的に世論を扇動
韓国ポータルサイトに中国関連記事が掲載されるとさまざまなコメントが付く。もう慣れてきたが、あるコメントには相変わらず俗語で“イラつく”場合がある。
最近では「私がなぜ中国の記事を韓国のポータルで見なければならないのか」「そんなに中国が良ければ、お前が中国に行って住め」等のコメントが付くが、記者は中国の北京で記事を書いており、署名には「北京」という場所が付いている。
北京に特派員として赴任してから、中国人が韓国語で付けるコメントがぐんと増えた。国内最大のポータルサイトの記事にはコメント投稿者のフォロー機能があるが、それで集めた投稿者がすでに十数人だ。彼らが残したコメントをまとめて見る機能を使うと、それらは見ものだとは思うが、各自の特徴が表れるようで失笑が漏れる。
例えば、最も熱心にコメントをする者は、ほとんど毎回「お前たち植民地南朝鮮人は」で文を始めるが、「主権も戦時作戦権も外交権もない米国の植民地である韓国は、まず自分の立場を把握することが優先」という内容を主に入れてくる。
「憤青」とか「小粉紅」と呼ばれる中国の盲目的愛国主義志向のネチズン(ネットユーザー)の悪ふざけは昨日今日のことではない。彼らは国のためとの思いが強過ぎて、中華民族のために何ができるかと考えて韓国語ができるという長所を生かしたようだが、自国で接続もできない韓国のポータルサイトにまで流れてきて、水を濁すのはどう見るべきか。
先月、中国深圳で日本人小学生が中国人男性の襲撃を受けて死亡する事件があった。もちろん多数の中国のネチズンは子供に何の罪があるかと犯人を糾弾するコメントをした。そのうち、韓国で活動する小粉紅たちが書きそうな文を紹介する。
「頼むから低能児が頭を使って行動に出て、社会に害悪を及ぼさないでほしい」
ところが問題はこれだけではない。狂信徒たちの個別的な所業を越えて、組織的にこうしたことが行われているという分析が出てきた。カトリック関東大の金恩英教授と国立昌原大の洪錫勲教授の研究チームが公開した「韓中競争産業分野に対する認知戦の実態把握」報告書によると、両国の競争産業分野の記事に周期的かつ組織的に韓国産を貶(おとし)め、中国産を好評するコメントが持続的に掲載された。
報告書は中国人と推定されるコメント投稿者の全ての履歴を分析して、このような中国発の世論扇動行為が、韓国民に対する「脅し」「離間」戦術と、中国を批判する韓国メディアの影響力を落とそうとする「(メディア)貶(けな)し」手法を活用したものと結論付けた。ここまでくれば、対策が用意されなければならないが容易ではなさそうだ。一部から出ている「コメント国籍表記」も実効性に問題があるというが、このままにしておくわけにもいかない。
(イ・ウジュン北京特派員、10月6日付)