Home国際朝鮮半島【韓国紙】尹錫悦政権は「戒厳」宣布するのか

【韓国紙】尹錫悦政権は「戒厳」宣布するのか

【ポイント解説】本気で「戒厳」を言っているのか

共に民主党はよほど追い詰められているとみえる。火のない所に煙を立てているのだ。李在明代表だけでなく文在寅前大統領にまで検察の捜査が迫っている。これを阻止するために国会多数を背景にして大統領弾劾を企図する。政府はこれの阻止で野党幹部を逮捕するため「戒厳令を敷く」という“三段論法”だ。

記事で言及された映画「ソウルの春」は1979年12月12日の粛軍クーデターをモデルにしている。全斗煥保安司令官(当時)が強引に権力を奪取していくさまを名優ファン・ジョンミンが“憎々しげ”に演じている。全斗煥を中心にした軍内の私組織「ハナ会」は何かに付けて“良からぬ輩(やから)”として取り上げられる。映画はフィクションだが、観客は事件と重ね合わせる。「右派はこのように何でも力で押し通すのだ」という制作側のメッセージを受け取ってしまう。

映画を見ながら、そういう感想を抱いたが、黄政美編集人が伝えるところによると、事件の後に生まれたZ世代たちは「文明国でああいうことが起こるか」と真に受けてはいないようだ。

とはいえ、韓国では「四・一九学生革命」(1960年)、「五・一六軍事クーデター」(61年)、それに79年の粛軍クーデターと「力」による政変が起こってきた。民主化以降でも、2016年の朴槿恵大統領弾劾ではデモとメディア報道によって政権が倒された、つまり「力」による政変があった。

現在の野党指導者たちの頭の中には「軍」であれ「民衆」であれ、常にこうした「力」が行使されるという思考が敷かれている。だから相手も力で来ると考える。「蚊の羽音に牛刀を抜く」式で、ちょっとした発言、会合にも過剰反応する。野党は案外本気で戒厳令が出されると思っているのかもしれない。(岩崎 哲)

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