討論会でまた不安煽る
日本政府が昨年８月24日、福島第１原発の汚染水（処理水）放出を始めて１年が過ぎた。国務調整室は21日のブリーフィングで、「放出開始後、今年８月19日まで総計４万９６３３件の放射能検査を完了した」として、「安全基準を逸脱する事例は１件もなかった」と明らかにした。国連傘下の国際原子力機関（ＩＡＥＡ）はもちろん、韓国の科学界も同じように展望していただけに、予想された結果といえる。それでも放出を批判していた野党と一部市民団体は反省どころか、詭弁（きべん）で一貫しており、開いた口が塞（ふさ）がらない。
日本は２０１１年東日本大地震の時、福島原発で発生した事故を収拾する過程で生じた放射能汚染水から放射能物質を除去した後、汚染水（処理水）を海に放流している。これに先立ってＩＡＥＡ所属の科学者たちが処理過程を徹底的に検証した後、「問題ない」との結論を下した。国務調整室によれば、韓国周辺海域の海水はもちろん、国内に輸入される水産物などからも基準値を超えた放射能物質が検出されたことは一度もなかった。
昨年、放出開始に先立ち、共に民主党など野党と幾つかの市民団体が「放出を防げなかった尹錫悦政権のせいで国民の健康が脅かされる」と主張したことが、どれほど非科学的・非常識だったのかを如実に物語っている。
汚染水論議のせいで一時、水産業の従事者は大きい打撃を受けた。それでも自省の声でなく、詭弁だけが聞こえてくるのはもどかしい。民主党など野党３党は22日、国会議員会館で討論会を開き、「果たして安全なのか」として再度国民の間に不安を助長させた。参加者たちは「今後の影響は予測し難い」「潜在的な危険が心配だ」など、曖昧な発言を行った。放出がなぜ人体に害になるのか、科学的根拠は示せなかった。民主党は、「その怪談に対して、どのような立場だったのか問いたい」という与党「国民の力」の韓東勲代表の質問に答えるよう願う。
野党と討論会を共同主催した市民団体の代表は２００８年、米国産牛肉輸入反対集会を主導した人物だ。すべての国民が狂牛病にかかるかのように騒動を起こしたが、そんなことは起こらなかった。16年、慶尚北道・星州にＴＨＡＡＤ（高高度防衛ミサイル）を配備すると決めた時はどうだったか。野党と市民団体は「ＴＨＡＡＤから出る有害な電磁波がマクワウリ農業をだめにし、住民たちを病気にするだろう」として反対した。全部でたらめだと判明した。
政略的目的で怪談を広め、偽りが明らかになれば「ならそれでいい」として責任を負わない政界の悪弊は必ず消えなければならない。（８月23日付社説）
