トップ国際朝鮮半島【韓国紙】バイデン氏の大統領選撤退と韓国・アメリカの関係

【韓国紙】バイデン氏の大統領選撤退と韓国・アメリカの関係

7月24日、米インディアナ州インディアナポリスで講演するハリス副大統領(EPA時事)
7月24日、米インディアナ州インディアナポリスで講演するハリス副大統領(EPA時事)

広い視野で国際関係眺望を

ジョー・バイデン大統領が結局、大統領選挙から撤退し、カマラ・ハリス副大統領に席を譲った。ハリス氏の登場で米国の同盟諸国やパートナー諸国は米大統領選に対する一抹の期待を持つようになった。

既に8年前のことだが、2016年の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を控えて、バラク・オバマ元大統領は全世界が「変曲点」にあるとして、同盟間の協力が大変重要だという点を強調したことがある。当時、ロシアによるウクライナのクリミア半島併合、イスラム国(IS)の跋扈(ばっこ)、英国のブレグジット、中国の南シナ海人工島構築の試みなど、強大国の競争と多極化への進入が始まった時期だったためだ。

オバマ政権の跡を継いだトランプ政権は「米国第一主義」を前面に出して中国との競争に集中しただけで、崩れゆく国際秩序に対する如何(いか)なる役割も果たさなかった。これに伴い、米国の欧州同盟諸国は戦略的自律性を強調して米国に対するヘッジングを、東アジア諸国もやはり米中関係の間のヘッジングを追求することで、いわゆる各自が生き残りを図る国際秩序が形成された。この各自が生き残りを図る国際秩序こそが、ロシアや中国などの現状変更諸国が自身の目的を達成する最も容易(たやす)い環境だ。

半面、バイデン大統領は就任直後、同盟関係の復元を優先順位に設定して国際秩序の回復を試みた。バイデン大統領と韓国政府の関係もかつてなく強固で広範囲な領域で協力を推進している。韓米日の協力とアジア太平洋パートナー国(AP4)等、急激に変化する国際環境に対応するための協議体、すなわち安全網を構築して今の国際秩序の転換期に共存しており、韓国を含む類似した諸国に友好的な国際環境をつくろうと協力している。

このような国際関係と韓米関係発展の転換点はバイデン政権の努力だけでなく、より積極的で国際主義的な韓国の対外政策基調があったので可能だったのだろう。特に米中関係の中で、韓国が「戦略的な明確さ」を選択したことは韓国のアイデンティティーという次元だけでなく、いかなる方向へ国際秩序が発展しなければならないか、その中で韓国の役割は何なのかに対する苦悩を反映した結果だ。すなわち、これ以上、北東アジアでの「弱い輪」として残らないという決意でもある。

ハリス氏が大統領選挙で勝利すれば、多くの部分で、今の韓米関係の連続性は担保されるはずだ。トランプ氏が再選する可能性のために、韓国の核武装や在韓米軍の撤退、中国に対する便乗の必要性を主張する一部では、民主党のハリス大統領候補は好ましくないだろう。

しかし、韓国がいかなる価値とアイデンティティーを追求するのか、いかなる秩序の中で発展できるのか、もう少し広い視野で国際関係を眺望することを薦める。そんなに偏狭な白黒論理で国際関係を認識したり判断しては韓国の利益と未来を担保することはできない。

(チョン・グヨン江原大教授、7月26日付)

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