Home国際朝鮮半島【韓国紙】東京都知事選 “アンチ”が共存した日本の遊説会場

【韓国紙】東京都知事選 “アンチ”が共存した日本の遊説会場

東京都知事選で勝利し、花束を手にする小池百合子氏=7日午後、東京都新宿区
東京都知事選で勝利し、花束を手にする小池百合子氏=7日午後、東京都新宿区

「違い」が嫌悪の対象となる韓国

7月1日、東京・秋葉原駅近くの広場で行われた小池百合子東京都知事の遊説現場は興味深かった。彼女は「(任期)8年間で146の政策目標のうち90・3%、139を実現し推進中」だとして支持を訴えた。

遊説を見守る都民の姿は穏やかだった。現職知事として3選に挑戦する最も強力な候補だったが、支持者の様子は、スマートフォンで写真を撮ったり、時々「小池さん」と叫ぶくらいだった。

逆に目立ったのは“アンチ小池”であった。公約達成率90%を主張する小池氏の演説の真っ最中に「公約達成0小池」と書かれた大きな紙を持って会場を行き来する者もいた。さまざまな色の垂れ幕には「さよなら小池」という文字が目立った。ある女性は「極右拒否」と書いたスケッチブック大の紙を掲げていた。

圧巻(?)は何を言っているのか聞き取れないほどの大声を出している40代くらいの男性だった。約30分行われた遊説の間中、あちこち歩き回って、自身が小池知事と知事が導く東京をどれくらい嫌いかを訴えていた。前日、新宿で見た石丸伸二候補の遊説会場にはこういう人々がおらず、「最強者の宿命なのか」とも思われた。

興味深いのは、誰も彼らを制止しないという点だ。「公約達成0」「さよなら小池」「極右拒否」を主張する者たちは遊説中ずっとフリーだった。警察と選挙運動員数十人が会場にいたが、誰も彼らを妨げなかった。ただ1人、この大声で叫んだ40代の男性だけが制止の対象だった。

しかし、正確に言えば「制止」というよりは「要請」だった。選挙運動員の1人がこの男性に何回も近付いて、過度に大声を出すのはやめてほしいと微(ほほ)笑みながらお願いした。

小池氏の遊説現場で「小池反対」は自然に表現された。さぞいらついただろう。大声で叫ぶ男性に自制をお願いした選挙運動員の微笑みは、最小限の礼儀を表現しただけで真心からのものであるはずがない。

遊説を見守る人々の中には小池支持者も結構いたが、明確に拒否感を表す者はいなかった。問題が提起されたのは小池氏が3選した後で、選挙の過程を振り返りながら、こういう行為を防止するシステムの必要性に言及したのがすべてだった。

民主主義の基本は多様な意見の共存だ。時に激烈に衝突したりするが、自分とは別の考えがあり得ることを認めるところから出発する。だが「違い」を嫌悪あるいは排斥の対象とする場合をしばしば目にする。暴力につながったりもする。韓国の政治の現実がまさにそうだ。

今月15日、与党「国民の力」代表選の合同演説会で起こった暴力事件のようなものが代表的な例だ。いかなる反対も容認しないような、いわゆる“犬娘”(李在明氏の熱烈女性支持者)に代表される野党の状況も同じだ。違うということが嫌悪の対象であり、暴力の原因になる韓国政治、それが日常化されているのではないのか。

(姜具烈(カングヨル)東京特派員、7月23日付)

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