トップ国際朝鮮半島【韓国紙】暗殺未遂で勢いづく“トランプ大勢論”

【韓国紙】暗殺未遂で勢いづく“トランプ大勢論”

銃撃後、警護官に抱えられて選挙集会会場を去るトランプ前米大統領=13日、米東部ペンシルベニア州バトラー(AFP時事)
銃撃後、警護官に抱えられて選挙集会会場を去るトランプ前米大統領=13日、米東部ペンシルベニア州バトラー(AFP時事)

余波を診断、備え始める時

去る13日、米ペンシルべニア遊説現場で発生したトランプ前大統領の暗殺未遂に世界は驚いた。幸い、銃弾が右耳の上部を貫通してトランプ氏は劇的に命拾いしたが、米国政治の極端な二極化と民主主義の危機の深刻な兆候だといえる。

しかし、この事件はトランプ氏の最大の弱点とされてきた司法リスクを鎮め、彼に大統領選挙の勝利を固める“禍転じて福となす”きっかけになり得るという評価だ。

トランプ再選の可能性がますます大きくなる中で、世界は今やトランプ2期に備えざるを得なくなった。韓国は当面、在韓米軍の防衛費負担の増額と韓米間の貿易収支不均衡の是正、対中国経済圧迫に参加する方策が悩みだ。

韓国はトランプ1期の時、突然、防衛負担金を5倍引き上げてほしいというトランプ政権の要求に当惑した経験がある。トランプ氏は最近、米タイム誌のインタビューで韓国が防衛費をさらに負担しない場合、在韓米軍を撤収することもあり得ることを再度示唆した。

こうした憂慮の中で最近、訪韓した米国第一政策研究所(AFPI)の関係者は世宗研究所主催の懇談会で、これまでの憂慮とは違ってトランプ氏が復帰すれば尹錫悦大統領とはむしろ良い協力関係を持つことができるだろうと展望した。

AFPIはトランプ氏の考えを最もよく知る人物たちが布陣したシンクタンクと評価される。懇談会でフレッド・フライツ副所長は、(トランプ政権で国防次官補代理を務めた)エルブリッジ・コルビー氏のように米国は全ての力量を中国に集中し、同盟は自らの防御の責任を負わなければならないという見解は、完全に誤ったアプローチだと指摘した。

在韓米軍は依然、対北朝鮮抑止力の核心であり、今のように複合的な脅威が存在する状況では、一つの戦争(中国)だけでなく、多数の紛争にも備えなければならないためだ。同じ理由でキャンプデービッド(2023年8月)以後の韓米日の安保協力も持続するだろうと展望した。それが事実ならば韓国としては幸いなことだ。

トランプ2期がわれわれが心配していたほど米国の利益だけを前面に押し出した強引な計算政治ではなく、より現実主義的なトーンで再調整されることを期待する。それが世界の安定と繁栄だけでなく、韓米関係の未来のためにも良いことだ。

今はトランプ再選の可能性に狼狽(うろた)えるのでなく、予想可能な余波を予(あらかじ)め診断して、備えを始めなければならない時だ。

(李相賢(イサンヒョン)世宗研究所首席研究委員、7月17日付)

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