トップ国際朝鮮半島親北政党にまた解散の憂き目?綱領に違憲素地 審判請求促す

親北政党にまた解散の憂き目?綱領に違憲素地 審判請求促す

尹氏弾劾なら最大野党も視野

急進的な親北反日主義で知られる韓国野党・進歩党が「違憲政党」に当たるとして憲法裁判所の判断を仰ぐための手続きが進められている。「最も北朝鮮寄り」と言われる同党が強制解散させられた場合、事実上、同党と連帯する最大野党・共に民主党の路線にも影響が出てきそうだ。(ソウル上田勇実)

進歩党の前身は2014年に憲法裁から強制解散の決定を下された統合進歩党。今年4月の総選挙で3議席獲得に成功し、国会に議席を持たない院外政党時代に作った「10年以内の執権与党という青写真」(同党関係者)に向け再出発をしたばかりだ。ところが、同党は統合進歩党の代替政党で、スパイのような人物に国会活動を任せてもいいのかという声が上がるなど、その存在自体に再び疑念が持たれている。

ソ ウ ル 市 内 に あ る 進 歩 党 本 部 ( 14 日 撮 影 )

ソウル南部地検長出身の高永宙氏が代表を務める保守系政党・自由民主党は先月、同党の違憲政党解散審判に関する請願を法務省に提出した。

違憲政党と主張する最大の根拠は、綱領にある「民衆主権」という表記だ。違憲政党と判断されるには憲法にある自由民主的基本秩序の該当8項目に違反していることが確認されなければならないが、綱領にある「民衆主権の完遂」という同党の目的は8項目の最初に出てくる「国民主権」と相いれず、これは「全ての国民ではなく特定階級が主権を握るという共産主義や疑似共産主義の法的発想」(高氏)だという。

綱領に「国民主権」が記されていないにもかかわらず、中央選挙管理委員会は事の重大さを認識できないまま同党の政党登録を受け付けた。そのため、まずは違憲政党解散審判を憲法裁に申し立てることができる政府(法務省)に請願を出し、申し立てがなされた場合は憲法裁が違憲の有無を判断することになる。

高氏が違憲政党解散審判を請願すると、同党ホームページに掲載されていた綱領が一時削除されたという。現在は元通りに掲載されているが、「どうすべきか悩んで一時的に削除した後、すでに知られている綱領を隠したところで何の役にも立たないと思い直した」(高氏)ようだ。

同党は統合進歩党時代、陰の実力者と呼ばれた李石基氏が現職国会議員のまま内乱扇動罪で起訴・収監され、物議を醸した。今回当選した進歩党3議員のうち2人は李氏の恩赦・復権運動を行い、もう1人も在韓米軍射撃場の閉鎖を主張したいわく付きの人物だ。

北朝鮮外交官出身の太永浩・前国民の力議員は、進歩党の今後について「少数派でまだ大きな影響力はないが、小選挙区でも比例代表でも共に民主党から譲歩されて国会進出を果たしたため、同党と手を組み野党陣営全体としてより親北的な主張を強めるだろう」と警鐘を鳴らす。

また韓国国内の親北活動に詳しい李熙天・元韓国情報大学院教授は、進歩党指導部の方針として「まず26年の統一地方選で議席を伸ばすことで影響力拡大を狙うようだ」と指摘した。

法務省は解散審判の請願を受け付けて3カ月以内に憲法裁への請求について判断しなければならないが、その際、大統領の承認が必要だ。14年に政府が統合進歩党の解散を憲法裁に請求した際は、高氏が同じ公安検察出身の金淇春・大統領秘書室長(当時)に説明し、その内容を金室長が朴槿恵大統領に伝えた結果、法務省が憲法裁に請求した。

今回も大統領室の誰が尹錫悦大統領に報告し、それを受けて尹氏がどう判断するかがカギを握るとみられる。

高氏は、進歩党に続き共に民主党に対する違憲政党解散審判の請願も可能と判断している。与党は、野党陣営が尹大統領弾劾を強行しようとした場合、その対抗措置として「自由民主的基本秩序に反する幾多の活動をしてきた」(高氏)共に民主党を違憲政党として解散に追い込むカードを切る可能性も視野に入れているという。

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