トップ国際朝鮮半島【韓国紙】夜10時、中国の公安が訪ねてきた 「天安門事件の報道予定は?」

【韓国紙】夜10時、中国の公安が訪ねてきた 「天安門事件の報道予定は?」

【ポイント解説】中国公安の圧力と情報ツール

冷戦時代のプラハか東ベルリンでの話のようだ。外国特派員の家を公安警察が帰宅を待っていたかのようにいきなり訪問してきて、ビザを見せろだの、正しい報道をしろだの脅した挙げ句、「天安門の取材はどうする」と核心を突いてくる。露骨な圧力だ。

業務なら昼間、事務所を訪ねて来るべきだが、わざわざ夜、妻子のいる自宅を急襲し恐怖心を植え付ける。いまだに中国はこういうやり方をしているのかと暗澹(あんたん)たる思いになる。

だが、韓国の記者は怯まず、これを記事に書いてしまう。公安が求めた「本当の中国」の姿なのだから仕方がない。この反骨精神は軍事政権下で治安情報機関に睨(にら)まれてきた韓国メディアだからこそなのか。もちろん特派員氏の世代の頃はもうそんなことはなかっただろうが。

一方、この話を聞くと、中国が通信やチャットを監視しているという話が現実味を帯びる。でなければ、そのタイミングでピンポイントを突いて牽制(けんせい)に来るわけがない。

日本と韓国との間でLINE情報漏洩(ろうえい)問題が起きたが、日韓双方が火消しして何とか大火事にせずに制圧している。だが、この記事を見れば、LINEのデータを管理している韓国NAVERの子会社が安易に中国の下請けにデータ処理させることがどれほど危険かを改めて思い知らせる。

それと、危機管理ということで言えば、韓国メディアは本社と海外特派員との連絡をウィーチャット(微信)でやっていることにも驚く。韓国人が多く使うカカオトークは中国では通じないのだろうか。情報ツールの国籍問題と危機管理についても、この記事は多くを考えさせる。(岩崎 哲)

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