トップ国際朝鮮半島【韓国紙】「韓日歌王戦」に見る双方向の文化交流

【韓国紙】「韓日歌王戦」に見る双方向の文化交流

韓国のケーブルテレビ M B N (毎日放送)の芸能番組「韓日歌王戦」で日本語の歌を歌う東亜樹さん (ユーチューブより)
韓国のケーブルテレビ M B N (毎日放送)の芸能番組「韓日歌王戦」で日本語の歌を歌う東亜樹さん (ユーチューブより)

より一層深まる共感度

動画投稿サイトYouTubeで、MBN芸能番組「韓日歌王戦」の一場面を偶然に見た。出演者の韓国歌手リンと日本歌手、歌心りえが共にナミの『悲しい絆』を歌う姿を映していた。ずば抜けた歌唱力の2人の歌手が韓国語と日本語バージョンをやりとりしながら歌う姿が印象的だった。関連動画を幾つか探したが、短いものでは飽き足りず、先日から一気見中だ。

同番組は韓国、日本の歌手それぞれ7人が出演して歌い、審査団の判定を受けて勝負を競う方式だ。韓国人と共に日本人が主役の韓国芸能であり、この点が非常に独特だ。こうしたフォーマットの番組は、私の記憶の中にはない。

出演者らは相手国の歌を選んで舞台を飾ったが、芸能人審査員として参加したある出演者が言ったように「妙な感動」がある。韓国人歌手が歌う日本の歌より日本人歌手が歌う韓国の歌に耳を澄ませた。よく知っている韓国の歌と見慣れない日本人歌手という組み合わせは異質だが、興味深かったからだ。“演歌の神童”と紹介された16歳の東亜樹が歌った『木浦の涙』が本当に良かった。

韓国のテレビにひらがな、カタカナの字幕が流れるのも不思議だった。日本の歌には日本語字幕に韓国語の字幕を付け加えた。長く日本語を「悪い言葉」と思ってきたし、今も日常から追い出すべき言葉と見なす傾向があることを考えると、挑戦的な試みだ。日本人歌手の名札は上段に日本語で大きく表記し、その下にハングルで書いていた。

韓日歌王戦は先月2日に初回が放送され、今月7日の6回目で幕を下ろした。放送期間中はずっと同時間帯の視聴率1位を記録したという。100万回を超える閲覧数を記録した動画も幾つかあった。

他の国に比べて好き嫌いがはっきりとしている日本を前面に出したこの番組の成功は、外国文化に対する私たちの態度に関連して考えさせられる部分がある。韓流は乱暴に言えば、相手国に伝えられる韓国文化の一方向的な流れだ。しかし、こうした構図では「送信者と受信者の間にズレが生じ得る」との指摘がある。韓流に対する認識の差が生まれ、拡大して拒否感につながり得るということだ。

コンテンツを海外へ輸出して市場を拡大するだけでなく、消費者である相手国もウィンウィンにする方法を探すのが、今こそ私たちがすべきことなのかもしれない。文化の流れは双方向が自然だ。韓日歌王戦に参加した日本人歌手が韓国でもう少し人気を得て、活動をもっと多くすればどうだろうか。彼女たちを通じて知った日本の音楽はすてきで、彼女たちが聞かせる私たちの歌の魅力は一味違う。韓国、日本のお互いに対する共感度がより一層深まるのは当然の事だ。

(姜具烈東京特派員、5月13日付)

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