「悪の枢軸」北とイラン接近ミサイル・無人機で取引か ロシア含め反米共闘

韓国安保の脅威に

3 月 、 ロ シ ア を 訪 問 し た 北 朝 鮮 の 尹 正 浩 ・ 対 外 経 済 相 ( 右 端 ) = 韓 国 紙 セ ゲ イ ル ボ 提 供
北朝鮮の尹正浩・対外経済相を団長とする代表団が先週、イラン訪問のため平壌を出発したとの報道を受け、両国がさらに軍事協力を深めるのではないかとする危惧が広がっている。非核化を拒否し、軍事的にロシアとつながる両国の接近に日米韓3カ国をはじめ西側諸国は神経を尖(とが)らせざるを得ない。(ソウル上田勇実)

北朝鮮高官のイラン訪問は約5年ぶりで、2019年に朴鉄民・最高人民会議副議長が訪問して以来のこと。朴副議長はこの時、イランのラリジャニ国会議長と対米問題について話し合った。

今回の北朝鮮とイランの接近について、韓国統一省の当局者は記者団に「1980~88年にイランは北朝鮮から26億㌦相当の武器を導入したことが知られており、19年の国連制裁委員会傘下の専門家パネルによる年次報告書でも両国の軍事協力が続いていると指摘された」と述べた。

また同当局者は、両国の軍事協力の中身と関連し「ミサイルと在来式武器の取引、技術移転」と指摘した。

今回のイラン訪問は北朝鮮対外経済省が中心であるため、「原油確保が目的」(消息筋)との見方もあるが、軍事協力も深めるのではないかという臆測が絶えない。

北朝鮮とイランの軍事協力でこれまで特に指摘されてきたのは、イランが北朝鮮の支援を受けて各種ミサイルを開発し、北朝鮮はイラン製無人機(ドローン)を導入しているのではないかというものだ。

米国防総省傘下の国防情報局(DIA)が19年に公表した報告書によると、イランの中距離弾道ミサイル「シャハブ3」は北朝鮮の「ノドン」を基に開発され、イランの「ホラムシャハル」は北朝鮮の「ムスダン」の技術が適用されているという。

今月13日、イラン革命防衛隊がイスラエルに対し無人機と弾道ミサイルを発射したが、韓国の情報機関は「ミサイルに北朝鮮の技術が導入されたのではないか注視している」と明らかにした。

ロシアはウクライナ空襲に3000機以上のイラン製自爆無人機を使用したとみられているが、韓国ではそうした無人機で北朝鮮が韓国を攻撃する恐れがあるとみて警戒を強めている。

北朝鮮がイランと国交樹立したのは79年。翌年のイラン・イラク戦争でイランを支援し、自国兵器をイランに売却するなどして軍事協力が始まった。2002年、ブッシュ米大統領は一般教書演説で北朝鮮、イラン、イラクを核や化学兵器などの大量破壊兵器を保有する「悪の枢軸」だと名指しで非難した。今回の北朝鮮・イラン接近は、いわば「悪の枢軸」同士による連携強化だ。

軍事協力以外にも両国には反米という共通の政治的スタンスもある。「北朝鮮もイランも新冷戦構図の中で米国主導の国際秩序を打破するため政治的協力をするのが有利と判断している」(潘キルジュ高麗大学教授)。両国が軍事分野で協力関係にあるロシアを含め、反米共闘で利害関係が一致しているわけだ。

また両国の共通点として「国際秩序を無視して非核化を拒否する核開発国」(韓国紙ソウル経済新聞)であることも挙げられる。

北朝鮮とイランの軍事協力は韓国の安保リスクにつながる問題だ。

韓国のKBSテレビは「北朝鮮が違法武器取引で稼いだカネは結局、自国の核や大量破壊兵器の開発に投入される。すでにウクライナに侵攻したロシアやイスラエルを奇襲攻撃したハマスに武器を輸出するなど戦争特需の恩恵を受けている」と指摘している。

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