【韓国紙】“中国首脳”が抜けた韓中日首脳会議

【ポイント解説】格落ち「中国首相」に不満

1999年、マニラで行われた日中韓3カ国首脳会談について論評を書いたことがある。1時間の会談で3人が話したというから、それぞれ発言時間は平等に割ったとしても20分だ。しかも通訳を介せば、その半分で10分しか意見を述べられなかった計算になる。3カ国首脳の会談は意義があるにしても、これでは十分とは言えない。欧州の首脳たちが通訳なしで疎通ができるように、せめて東アジア3カ国の首脳はお互いを理解できる程度の言語力を持つべきではないか、というものだった。

すると小渕恵三首相から社に電話がかかってきた。当時、首相は頻繁にメディアなどに直接電話をかけて礼を述べたり意見を伝えることをしていた。“ブッチホン”である。あいにく席を外していたが、受けた者に「意見は承った、礼を伝えてくれ」という伝言だった。

その前年、金大中大統領は国賓として日本を公式訪問し、小渕首相との間で日韓パートナーシップ宣言を発表した。関係正常化以降、日韓関係が最良の時だった。両国関係が整った基盤の上でマニラで中国を加えて話ができたのだ。

日中韓では、首相、国家主席、大統領と呼び名は違うがそれぞれ国政のトップである。首脳とは普通トップを指す。なのに中国では2番手の首相を出してきたのはおかしい、というのが韓国の言い分である。

外交は格式で行う。特に上位下位の秩序を守る中国、韓国では格式を外れることを嫌うし、むしろ、外すことによって強い意思表示にしたりもする。韓国としては、自国で開催する首脳会議に格下の首相を送ってよこされてはたまらない、まして最近の中国首相は名実ともに格落ちの感を免れない、ということだろう。

だが、安保環境の緊張が高まる一方で、経済が深く関わっている3カ国の対話は必須だ。かつてキッシンジャー米大統領補佐官が「米国と中国は緊張をはらみつつも対話を欠かさない。小国はこれが分からないから困る」と大平正芳外相に語ったことがある。これまた外交の実相である。

(岩崎 哲)

spot_img
Google Translate »