ロシアと北朝鮮が接近 軍事・経済・観光で協力強化

ロシア極東ボストーチヌイ宇宙基地で、説明に耳 を傾けるプーチン大統領(中央左)と北朝鮮の金 正恩朝鮮労働党総書記(同右) 2023年9月13日 (AFP時事)

昨年9月にロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で行われたプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記の首脳会談は、多くの成果を北にもたらしている。
(ウィーン小川 敏)

プーチン氏と正恩氏は、この首脳会談で軍事協力の強化などで合意したと言われる。北朝鮮はコンテナ7000個分の弾薬(約250万発と推定)をロシアに供与、ロシアからは軍事衛星関連技術、食糧などの支援が行われた。

その最初の成果は北朝鮮の偵察衛星「万里鏡1号」の打ち上げ成功だろう。過去2回、打ち上げに失敗してきた北朝鮮は、ロシアからの支援を受け、昨年11月21日に3回目の打ち上げを成功させた。北は、人工衛星、原子力潜水艦、核開発を巡る軍事支援に期待しているという。

米情報当局者らによると、ロシアは、ロシアの金融機関に預けられている北朝鮮の凍結資産3000万ドルのうち900万ドルの放出を許可した。また、北朝鮮にロシアの地方銀行の口座を開くことを承認するなど、金融分野でも北側を支援している。その結果、北側はロシア国内で開いた銀行口座を利用して貿易取引が可能となる。

露朝間の接近はそれだけではない。韓国統一研究院のオ・ギョンソプ氏の報告によると、ロシアは国連の制裁にもかかわらず、多数の北朝鮮労働者を受け入れている。国外の労働者から入る外貨で正恩氏は核・ミサイル開発を進めているという。一方、ロシアは北朝鮮労働者受け入れでウクライナ侵攻による労働力不足を補うことが可能になる。

また、北朝鮮の観光業への支援もある。ドイツ民間ニュース専門局ntvが24日報じたところによると、ロシアから多くのスキー客が北朝鮮を訪問している。ウクライナ侵攻の結果、ロシア国民は外国旅行が難しくなった。そこで未開発の北朝鮮の観光が脚光を浴びてきた。

北朝鮮には正恩氏が誇る馬息嶺スキー場がある。平壌から東へ175キロ、元山市に近い。2014年1月にオープンしたばかりで、ゲレンデの下には、プール、カラオケバーなどが完備された高級ホテルがある。平壌国際空港の近代化とともに、海外から旅行者を誘致したものの、新型コロナウイルスの感染拡大、国境閉鎖で観光プロジェクトは休止していた。

国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は昨年3月、戦争犯罪の疑いで逮捕状を出すなど、プーチン氏を取り巻く国際状況は厳しさを増している。それだけに、国際社会から孤立する北朝鮮との友好関係は貴重だ。

プーチン氏は1月16日、クレムリンに北朝鮮の崔善姫外相を迎えたばかり。プーチン氏の訪朝も計画されている。

spot_img
Google Translate »