【韓国紙】中国、白頭山を世界ジオパーク登録へ

北朝鮮側から見た白頭山の山頂とカルデラ湖「天池」=2018年9月20日午前(南北首脳会談に同行した韓国側の平壌写真共同取材団撮影)
北朝鮮側から見た白頭山の山頂とカルデラ湖「天池」=2018年9月20日午前(南北首脳会談に同行した韓国側の平壌写真共同取材団撮影)

生ぬるい韓国政府の対応

「韓民族の霊山」である白頭山から韓国の痕跡を消そうとする中国の行動が度を越している。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)執行理事会は今月27日まで18の新規世界ジオパークを認証する案件を議論するが、ここに中国の長白山(白頭山)が含まれている。ユネスコ理事会が昨年9月、既に登録を決めており、特別な事情がない限りそのまま認証するのが慣例だ。

韓国、北朝鮮が重要視する白頭山の歴史と価値を独占しようとする中国の野心を嘆かざるを得ない。このような中国の「白頭山工程」は、2006年から高句麗・渤海など東北地方の歴史を自国史に歪曲(わいきょく)する「東北工程」の延長線上にある。中国は東北工程の一環として万里の長城の長さを10倍も延ばして白頭山一帯の高句麗の城壁と烽火(のろし)台まで編入した。

白頭山一帯が太古から漢族の一部だったという「長白山文化論」も共に登場した。中国は白頭山を「中華十大名山」に指定し、空港建設と観光地開発に熱を上げた。ユネスコ世界自然遺産の登録まで推進している。

中国が白頭山工程に力を入れているのは、北朝鮮崩壊時、韓半島の北側地域は過去に中国の土地だったと対外的に強調し、北朝鮮への影響力を極大化しようという意図があるという分析も出ている。

これが全てではない。古代史にとどまらず、韓服やキムチ、参鶏湯(サムゲタン)、さらにはアリランまで中国のものだと言い張るほどだ。習近平国家主席は2017年、トランプ米大統領(当時)と会談した席で「韓国は歴史上、中国の一部だった」という妄言まで吐いた。「韓中友好関係が歴史問題で損傷しないようにする」と約束した06年の首脳合意は色あせて久しい。

中国の歴史歪曲・文化侵奪が日増しに水位を高めていくのに、韓国政府の対応は生ぬるい。外交部(外務省)は中国側に固有の文化に対する尊重が必要だとの立場を伝えているというが、何の効果もない。これ以上、傲慢(ごうまん)な歴史・文化の覇権主義を放置してはならない。

今回の白頭山登録もいい加減に見過ごしてはならない。政府は歴史学界と協力し、断固とした対応を取るべきだ。必要なら、19年に白頭山の世界ジオパーク認証を申請したが失敗に終わった北朝鮮と共同対応する方策も模索しなければならない。白頭山工程は4代世襲の正統性を“白頭血統”に求める北朝鮮の権力体制を正面から否定することではないか。

中国は周辺国を傷付ける自国中心の偏狭な歴史観に固執しては、国際社会で“責任ある大国”として待遇され得ないということを肝に銘じなければならない。

(社説、3月15日付)

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