北朝鮮 韓国キューバ国交に対抗か

北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長=2022年8月、平壌(朝鮮中央通信配信) (A F P時事)
北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長=2022年8月、平壌(朝鮮中央通信配信) (A F P時事)

発表翌日の「首相訪朝」言及/韓国頭越しに日朝接近演出

【ソウル上田勇実】北朝鮮が今月15日、金正恩総書記の妹、与正氏の談話として岸田文雄首相の訪朝の可能性に言及し、その真意に関心が集まる中、韓国と社会主義国であるキューバとの国交樹立に驚いた正恩氏が、自陣営の結束を切り崩された対抗措置として発表翌日に急いで談話を出したのではないかとの見方が出ている。

北朝鮮は最近、韓国に対し「第一の敵」と位置付け、対話を拒否するなど強硬姿勢を突き付けたばかり。その韓国に西側諸国と敵対してきた同志キューバとの国交樹立を電撃的に発表され、正恩氏はショックを受けたとみられている。

北朝鮮問題に精通するある韓国情報筋は「正恩氏は韓国キューバ国交への対抗意識から、韓国を頭越しにした日朝接近ムードを演出するための措置を指示し、それが談話になったのではないか」と指摘した。

与正氏は談話で「全て解決された拉致問題」「拉致問題を障害物としなければ首相が平壌を訪問する日が来ることもあり得る」などと述べ、一見すると「拉致問題は解決済み」という従来の立場を繰り返しただけにも見える。

だが、日本との国交樹立にこぎ着けるには「拉致問題は避けて通れないのは北朝鮮も重々承知」(同筋)のはず。北朝鮮はこれまでにも相手との交渉で主導権を握るため、強硬な発言や態度が目立っていた。今回の談話も「額面通り受け止めるより、最終的には拉致問題で一定の譲歩を見せ、巨額の戦後補償につながる日本との国交樹立に道を開きたいというメッセージが込められている」(同筋)という。

岸田首相は国会答弁で、日朝関係について「現状を大胆に変える」「自身が金総書記と主導的に関係を結ぶ」などと発言していた。

一方、日朝接近と関連し、韓国の金暎浩統一相は16日、国家情報院傘下のシンクタンクがソウル市内で開いたセミナーで「北朝鮮はソウル(韓国)を経由せずワシントン(米国)と東京(日本)に近づくことは絶対できない」と述べ、韓国頭越しを牽制(けんせい)した。

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