【韓国紙】中国は“言葉の力”を信奉するのか

中国不動産開発大手、中国恒大集団の本社ビル=2021年9月26日、中国・深圳(AFP時事)
中国不動産開発大手、中国恒大集団の本社ビル=2021年9月26日、中国・深圳(AFP時事)

台湾「国家」表示に過敏反応

先月、仁川空港から大韓航空機で中国遼寧省に到着した韓国人実業家が一時抑留されることが起こった。保安検査台を通過する際、手帳に付いている小さな世界地図に台湾が「台湾」と別の国家のように表示されているという理由だった。税関職員らは1時間ほど、この実業家を抑留して手帳の地図をはぎ取った後、帰国時に返すと言ったという。

台湾問題を自国の核心利益と見なし、統一の当為性を力説する中国の立場から、台湾を独立した国家と認識し得るように作られた地図の流通や通関を規制するのは分かるとしても、これにケチをつけて外国人を抑留したことは過度な措置だとの指摘が出ている。

似た事例はもっとある。中国は今年に入って人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の韓国eスポーツリーグ「LoLチャンピオンズ・コリア」(LCK)中継を突然中断した。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは「業界関係者らは今回のことが韓国eスポーツチームのGen.Gを巡る最近の論議と関連があると言っている」と伝えた。昨年末、Gen.GはSNSに台湾行事関連の案内をアップしたが、台湾を“国家”と示して中国LoLコミュニティから不満が出ていた。

その後、Gen.Gはすぐに案内を削除し、SNSに謝罪文を掲載したが、今度は「中国の主権と“領土の無欠性”を断固として尊重し、支持する」と表明したことが問題になった。「領土の無欠性」は「領土完整」を翻訳した言葉で「国を完全に整理して統一する」という意味だ。中国は台湾統一と関連して武力行使まで辞さないという意味で領土完整という単語を使うが、これを断固として支持するとしたので内外で論議が増幅されたのだ。

結局、この謝罪文も取り下げたが論議の核心は領土完整という表現だった。それなのに問題の始まりだった台湾の国家表記を口実に中継を切ったことはこの問題に中国がどれほど敏感なのかを示している。もしかすると中国は台湾を国家と呼び続けると本当に台湾が独立的な国家になってしまのではないかと心配して、こういう過敏反応を見せているのかもしれない。だが、外国人観光客誘致を強調する一方で、こうしたことが続くと憶測が出てくるのも無理はない。

中国は昨年、中央経済工作会議で「経済成長と世論指導を強化せよ」とし、「中国経済の(見通しは明るいという)光明論を歌え」と指示した。さまざまな危機に直面した状況で光明論を歌えば経済が蘇(よみがえ)るのかと疑問を感じるが、これもまた言葉が持つ力を軽視しない事例といえる。

そういえば中国は最近になってチベット自治区の名称を「チベット」から「西蔵」に呼び変える作業も展開している。光明論を歌って経済危機が去れば、本当に心配ないようだが、ひょっとして雨が降るまで続くという“インディアンの雨乞い”になりはしないか。

(イ・ウジュン北京特派員、2月6日付)

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