【韓国紙】北の“戦争話”はビッグディール狙い

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記・撮影日不明、平壌(朝鮮通信・時事)北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記・撮影日不明、平壌(朝鮮通信・時事)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記・撮影日不明、平壌(朝鮮通信・時事)

緊密外交で核脅威無力化を

最近の北朝鮮の敵対感の表現が度を越している。昨年末、金正恩総書記は南北関係を「敵対的な二つの国家の関係」と規定し、武力赤化統一を準備せよとの指示まで出した。年初の最高人民会議では大韓民国が「第1の敵対国」であり「徹頭徹尾、主敵」だとして、北朝鮮の歴史から統一・和解・同族という概念を完全になくすという。

金総書記の脅迫はかなり具体的だ。北方限界線(NLL)を認めないとして、南北が接する地域での在来式兵器による挑発の可能性に言及した。さらに戦争が始まれば、核兵器を含む全ての兵器を使うという。

海外の韓半島専門家たちは現状況が韓国動乱の直前よりも危険だと見ている。北東アジアで核戦争に備えるべきだという主張まで出ている。果たして北朝鮮のこのような言辞は国家戦略と対南路線の根本的変化を意味するのだろうか。

北朝鮮の国家戦略と対南路線は変わっていない。3代にわたる金氏王朝は韓半島征服という目標をただの一度も諦めたことがない。ただ、自国の能力と国際環境によって、駆使する戦術が違うだけだ。

北朝鮮はなぜ年初から戦争話をつくって全世界に宣伝しているのだろうか。北朝鮮は危機を最高潮に引き上げるたびに補償の機会を得てきた。1994年の第1次北核危機ではジュネーブ合意を、2003年第2次危機では6者会談を、そして17年の北核危機の高潮後にはトランプ米大統領との首脳会談を勝ち取った。特に19年のハノイ会談で北朝鮮は米国との核凍結合意によって事実上、核保有を規定事実化できたが、結局は“ノーディール”で終わった。

24年選挙の年が明け、北朝鮮にまた機会の窓が開き始めた。米大統領選挙で“トランプ大統領”が帰ってくれば、北朝鮮はまた“ハノイディール”を試みることができる。ただし、米朝会談に先立って危機を最高潮に引き上げなければならない。すでに3回以上の危機を体験したので、韓米両国はもとより全世界も生半可な行動では危機を感じない。高まった“しきい値”を揺るがすには史上最悪の刺激が必要だ。

金総書記が新しい状況をつくるために必要な“刺激”は、まさに韓半島の核戦争だ。だから今年はかつてなく戦争の危機が高まるだろう。今では日常のようになったミサイル発射より強い刺激のために、北朝鮮は天安艦爆沈や延坪島砲撃のような露骨な在来兵器での挑発に転換する可能性が高まる。米大統領選挙まで恐怖と緊張を最大限引き上げるなら、翌年、次期米政権とビッグディールを実現させることが最終目標になるだろう。

韓国政府はこれまで以上に緊密に動かなければならない。今からでもトランプ氏を含む次期大統領候補者たちとの協力と理解を固め、米国にどんな次期政権が発足しても、性急な交渉で核脅威を固定化させることだけはないようにしなければならない。

朝露密着と韓半島の不安定が内心では気に入らない中国を活用しなければならず、長期的に韓国が必要なロシアを圧迫するなど、朝中露協力の弱い輪を揺さぶらなければならない。

(梁旭(ヤンウク)峨山政策研究院研究委員、1月19日付)

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