アクティブシニア登場、変化する老年層

韓国ソウルの代表的な在来市場である南大門市場には老人の買い物客も多い(2023年11月10日撮影)
韓国ソウルの代表的な在来市場である南大門市場には老人の買い物客も多い(2023年11月10日撮影)

新しい方式の「孝」実践も

「孝」に対する観念が弱くなっている。社会が高齢化し、扶養に対する経済的、心理的負担が大きくなったせいだ。孝行息子娘をつくるとし「孝行奨励法」が施行されているが、同法の存在を知る人も多くないのみならず、法が孝心を育てると信じる人も多くない。

「孝道(親孝行)手当て」の効果も制限的だ。親孝行を奨励するために90余りの地方自治体が孝行息子、孝行娘の支援に乗り出しているが、社会的な流れを変えるには力不足だ。このため「孝の終末」という診断も出ている。

作家の宋吉永は新刊「時代予報」で、大人が子供を世話し、子供が成長して大人を世話する「相互扶助システム」が崩壊したと診断する。

興味深いのは、老年層が自ら変化を模索しているという点だ。“アクティブシニア”が登場し、誰かに頼ろうとする慣性から抜け出して、「アイスアメリカーノ」を注文し、異性との交際にはまり、イム・ヨンウンのファンクラブに加入する老年層が増えている。自分で稼いで自分が使うという認識は基本だ。

このように能動的に変化し、新しさに適応しようとする新中年の“日々新たに”は朗報である。「世話される対象」という根深い偏見に自ら挑戦して、独立性と責任を追求する。世代間の連帯と疎通の空間を広げる良い機会だ。

それでも二つの問いが頭の中に浮び上がる。一つは「果たして、親孝行は終わったのか」、二つは「日々新たには理想なのか現実なのか」だ。

場面1:母親の“押し”のコンサートチケットを娘が親のために予約する。終了後に母親を迎えるため、娘たちや少数の息子たちが会場前で長蛇の列をつくる。このように母親の趣味生活を応援し、手伝う娘たちの姿を通じて新しい孝行の場面を目撃する。

場面2:ソウルの地下鉄の路線にはそれぞれ汚名が付いているが、圧巻は“大悪魔”と呼ばれる1号線だ。古い上に、ホームレス、行商人、酔客が集まって“動くハーレム街”とも呼ばれる。老人たちが最も多く利用する上に「無賃乗車の老人」という否定的イメージが加わり、当てもなくさまよう老人たちの集合場所として認識されているためだ。

実際に多くの老人が1号線を利用している。行く当てのない老人たちに“日々新たに”とは届かない理想にすぎない。老人貧困世界1位、老後の準備がある75歳以上の高齢者の割合43%、これが大韓民国の現実だ。

従って孝に関する論争を見て二つの教訓を得る。まず、子供の世代は孝を放棄したのではなく、新しい方式で実践している。従って、世代間の和合の門は開いている。第二に、新しい家族の和合とは別に、自ら隠れ、縮こまるシニアが厳然として存在する。彼らを保護して包容すること、国家が、そして、私たちの各自が感じるべき責任だ。

(ク・ジョンウ成均館大教授、1月8日付)

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