
大統領に説明責任あり
金泳三大統領は就任初期に高い支持率を享受したが、5年の任期末に近づくと側近に「孤独だ」とたびたび漏らしていたという。外部の人々には「忙しい行事を終えて官邸に帰ると誰もいない寺のようだった」とも言った。
金泳三氏をはじめとして歴代大統領の自叙伝を見ると、途方もない圧迫に打ち勝って下した孤独な決断を評価されなかったことに対する悔恨があちこちで感じられる。とはいえ国民を恨めしがることではない。悔恨を感じる深さほど国民と疎通しなかった国家最高指導者の責任が大きい。
尹錫悦大統領が新しく試みた登庁時の囲み会見は中断して1年を超えた。他の疎通方式を考えるといったが、これまで国内のある報道機関との独占インタビュー、多数の外信インタビューがあっただけだ。
大統領は新年会見を省略したまま新年の辞を発表し、国政の懸案に対する立場を閣議の生中継を通じて伝える。緊迫した外交強行軍と国政管理で大統領が閣議で鼻血を流すほど過労に苦しめられているとしても、きちんとしたコミュニケーションがなければ、国民の呼応を得るのは難しい。30%台を超えられない支持率がそれを示している。大統領室は国政の懸案を十分に説明したと感じるかもしれないが、国民が納得できない疑問は着実に積もっている。
釜山エキスポ誘致の失敗は政府のオールイン戦略のせいで期待が膨らみ、国民の失望が多かった。大統領は異例の緊急談話で「私の不徳の致すところ」だと謝罪した。そのように済ませるには国益と国民の自尊心に大きな傷を残した。最後まで競合の可能性と誤って判断した経緯、それに伴う問責が気になる。
今、龍山(大統領執務室)の関心はすべて来年4月の総選挙に注がれている。“尹核関”(尹大統領の核心関係者)と呼ばれた張済元(チャンジェウォン)議員の不出馬宣言、金起炫(キムギヒョン)代表の代表辞任、韓東勲(ハンドンフン)非常対策委員長体制への転換まで“尹心”(尹大統領の意向)論議が続く。政府の中間評価としては不利な条件なのに、龍山主導で総選挙を行うという意味なのか、いぶかしい。
新しい年の新年会見は総選挙を控えて尹大統領が国民の前で国政構想と覚悟を説明する最後のチャンスだ。ちょうど内閣、大統領室が変わって、与党は非常対策委体制がスタートする。新しい陣容でどのように構想を展開していくのかを明らかにする良い席だ。
金建希(キムゴンヒ)女史のブランドバッグ収賄論議のように大統領としては気まずい質問も出てくるだろう。野党が政治争点化している時に、沈黙していては国民に疑問を抱かせるだけだ。
大統領は今年10月の江西区長補欠選惨敗後、参謀陣との会議で「国民はいつも無条件に正しい」と述べた。国民が気がかりな質問に答えて説得する責任は大統領にある。記者は国民の質問を代わりにしているだけだ。
(黄政美編集人、12月19日付)






