「反日銅像」撤去に弾みか 韓国 徴用工像 条例で設置阻止

市民団体「次はソウルで」

ソ ウ ル の 龍 山 駅 前 広 場 に あ る 徴 用 工 像 ( 今 月 7 日 撮 影 )

日韓関係悪化の原因となった徴用工問題と関連し先月、韓国で銅像設置が条例に基づき阻止された。法的根拠に基づく設置阻止は初めて。これは保守系市民団体が行政や地元住民に銅像設置反対を強く呼び掛けた結果だが、すでに全国各地に違法設置された徴用工像、慰安婦像などいわゆる「反日銅像」を撤去させる運動も始まっている。(ソウル・上田勇実)

徴用工像の設置が阻止されたのは先月下旬。場所は南東部・巨済(コジュ)市(慶尚南道)の東端、長承浦(チャンスンポ)港に近い「巨済文化芸術会館」の敷地に違法設置された慰安婦像のすぐ横だ。露骨な親北反日路線を掲げる全国民主労働組合総連盟(民主労総)の巨済支部が結成した銅像建立推進委員会が市に設置許可を申し込んでいたが、市が関連条例に基づき招集した「公共造形物建立審議委員会」で「不許可」の決定を下した。

これまでソウルや釜山をはじめ全国各地に9体ある徴用工像は、いずれも民主労総などが無断で違法設置したもの。民主労総は当初、巨済での設置場所を外国人を含む大勢の観光客らが行き来する遊覧船ターミナルに近い公園内に定めた。日本統治からの解放記念日である今年8月15日に合わせ、許可のないまま強行する構えだった。

だが、市民団体が設置に難色を示す観光業関係者らと協力し、地元住民向けの公聴会を2度開いて理解を広げ、4日泊まり込みで現場を監視するなどして設置を断念させた。

その後、民主労総は合法的設置に方針転換したが、市民団体が野党支持者を含む住民と共に反対の意見書を提出するなどして結局、「不許可」決定が下された。

市民団体「韓日葛藤打破連帯」の崔徳孝代表は「ひとまず阻止できて安堵(あんど)している」と話す。そもそも慰安婦像のすぐ横に徴用工像が建ったら、まるで「慰安婦と徴用工が(反日で)霊魂の結婚式を挙げるような光景」(崔氏)になってしまう。

また「反日銅像」設置反対の運動を支えてきた金基洙弁護士は「徴用工像設置は反日で韓国国民と連帯を図ろうとする北朝鮮の利害とも密接に関係していることを忘れてはならない」と指摘する。

今回の設置阻止を受け、崔氏らは次の段階として全国にある「反日銅像」の撤去運動に乗り出した。最初の目標はソウル市の龍山(ヨンサン)駅前広場に韓国内の徴用工像としては最初に設置された銅像だという。

崔氏は「韓国人にとって反日感情は集団的無意識のようなもので、地元の地方議員も票を意識して積極的に動けないが、巨済では議員を通じて意識の高い住民を発掘し、設置反対に協力してもらえた。この教訓を生かしたい」と述べた。

また日本との関係改善に動いた尹錫悦政権にも期待をかけている。同連帯は毎週、大統領室に関連の陳情書や声明文を手渡しているが、その都度関係部署から回答が来るという。崔氏が今月1日付で提出した「徴用工像設置反対および撤去に関する意見」に対し、龍山駅を管轄する国家鉄道公団から6日付で回答が寄せられた。

そこには「国有財産法上、合法な手続きや権限なく設置された強制動員労働者像(徴用工像)」に「毎年、国有財産無断占有弁償金を賦課」し、「(強制撤去の)行政代執行に当たるとは言い難い」ものの、「今後も設置当事者に労働者像を自ら撤去するよう要請する計画」と記されている。

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