【ポイント解説】将来は五つの特別市に?
「ソウル特別市」は京畿道(道は日本の都道府県に相当)に囲まれているが、独立した行政単位である。他に道とほぼ同等の権限と規模を持つ市は「広域市」で釜山、大邱、仁川、光州、大田、蔚山があり、さらに政府機関が集まる世宗「特別自治市」が設置されている。東京都の23区をまとめた自治体が別個にあり、これを例えば「東京特別市」として都から切り離し、都知事と市長がいるとイメージすれば分かりやすいだろう。
人口の都市部への集中は世界的傾向だが、韓国の場合、人口の81・4%が都市に居住している。特にソウルへの集中度が高く、周辺の市まで含めると約50%、人口の半分がソウルとその近郊に住んでいる計算で、合計人口はなんと2500万人に達する。メガシティとは1000万人以上が居住する区域だが、ソウルは十分にその資格がある。
現在、韓国政界ではメガシティをさらに増やそうという議論が出ている。与党からは“メガ釜山論”や釜蔚慶(釜山・蔚山・慶南)、忠清、大邱・慶北、湖南(光州・全羅道)など5大圏域に拡大することができる、などという話まである。
そうなると都市部への集中が80%を超えているのだから、韓国は極端な話五つの特別市で成り立つようになる、というのが冗談でなくなるかもしれない。
今回議論となっている金浦のソウル編入はもっぱら来年の総選挙対策とみられて、野党から反発を受けている。推進する与党議員に対して「次はそこ(選挙区)から出ろ」とやじが飛ぶほどだ。
しかし、鄭貞沐名誉教授の視点は別のところにある。財政の重複だ。この無駄を省くことこそが「革新」ではないかと野党共に民主党に投げ掛けているわけだ。
日本でも平成の市町村合併が行われ、全国で広域化が進んだ。だが地形などの環境はもちろん歴史や文化背景、住民意識を無視した合併は後々まで問題を残す。地域感情の強い韓国での試みを見守りたい。
(岩崎 哲)






