【韓国紙】国際連盟の最期を想起させる国連の現状

20日、エジプト東部アリーシュの空港に到着したグテレス国連事務総長(中央)(時事)
20日、エジプト東部アリーシュの空港に到着したグテレス国連事務総長(中央)(時事)

重要性増す韓米日軍事協力

国際連合(国連)安全保障理事会の常任理事国に拒否権を付与する案は1945年2月のヤルタ会談で決定された。スターリン・ソ連共産党書記長が強く要求したと伝えられている。チャーチル英首相は「第2次世界大戦回顧録」で「(拒否権導入の)結果は後世が判断するだろう」と書いた。

第2次大戦以前の国際連盟の失敗を教訓にしてつくった機構が国連だという。国際連盟も国連のように常任理事国を置いて平和維持の責務を任せた。1920年創設当時、常任理事国は第1次世界大戦の戦勝国である英国、フランス、イタリア、日本の4カ国だった。

ところが“国際警察”の役割を果たさなければならない常任理事国が逆に銃を持った強盗に急変した。日本は中国、イタリアはエチオピアを侵略した後、国際連盟を脱退した。ソ連はフィンランドを侵攻したという理由で除名された。第2次大戦が勃発する頃、国際連盟を支える強大国は英国とフランスだけ残った。

45年10月24日発足した国連はスターリンの言葉通り、強大国間の衝突を防ぐことにある程度寄与した。これは安保理の5大常任理事国すべてが核兵器保有国になり、相互間の戦争が難しくなった影響が大きい。その半面、強大国とそうでない国の間で紛争が続いており、今でもそうだ。ソ連を継承したロシアのウクライナ侵略が最も代表的だ。

国連で唯一拘束力のある決定を下せるのが安保理だが、2022年2月ロシア・ウクライナ間に全面戦争が勃発した後、現在まで安保理がした仕事は何もない。米英などが「ウクライナにおけるロシアの軍事行動の即時中断」を求める安保理決議を推進したが、ロシアの拒否権行使に阻まれた。ウクライナを訪ねたグテレス国連事務総長は「安保理は今回の戦争を予防したり、終結させることに完全に失敗した」と認めた。

今の国連は国際連盟の最期を想起させる。常任理事国として責務が付与された強大国が平和維持の主体でなく、紛争当事国に転じた瞬間、これを防ぐ方法がない。戦争勃発後、国連に代わって先進7カ国(G7)や北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)等の存在感がはるかに大きくなったことは、当然の成り行きだ。国連のような普遍的な国際機構より特定の価値や理念または、地域的な絆を土台にした国家同士の結束がより一層重要になったのだ。

「私たちは大国が小国を征服することを特権のように感じていた時代への退行を望まない」。9月20日、フィンランドのニーニスト大統領の国連総会演説の一部だ。しかし、われわれの願いとは違って、国際社会はすでに弱肉強食への退行が始まっている。韓米同盟の強化と韓米日軍事協力の深化に努力しなければならない理由がここにある。

(金泰勲(キムテフン)外交安保部長、10月25日付)

【ポイント解説】“シン国連”の勧め

ここにあるのはかつての国連信仰の篤実な信者だった韓国ではない。国連の無力化、安保理の機能不全を目の当たりにして、もはや国連に何の期待も寄せることはないと言い切る韓国のリアリズムがある。

韓国動乱で北朝鮮に釜山まで押し込まれ、絶体絶命の危機に陥った韓国を救ったのが国連軍だった。そのため、韓国では国連に対する信頼が篤(あつ)く、世界的権威の頂点に国連を置いてきた時期がある。その事務方のトップ(事務総長)に潘基文元外相が座ったことで、韓国は国連の助けを借りて戦後復興する被援助国から、次元を超えて「世界指導国」の仲間入りをしたと感じた。

だが次第に国連への妄信から覚めることになる。国連機関にはネポティズムがはびこり、安保理は肝心なことを決められない、常任理事国の拒否権がネックとなる、現実の世界を反映しない常任理事国構成、などが分かってきたからだ。潘氏が「歴代最低の事務総長」と酷評されたことも覚醒の後押しをした。

それに代わるものとして「米韓同盟」「日米韓軍事協力」を深めなければならないと説く。時代が逆行していく、否、繰り返していくようで、これでいいのかという韓国知識人が持ちがちな“リベラル”な視点はもはや微塵(みじん)もない。

日米韓の協力は現実の安保危機を目前にして選択の余地がないものだし、国連が、特に安保理がこのままでいいわけがない。一層のこと“シン国連”をつくってしまえという説が出てくるのももっともなことで、かつてセゲイルボ初代会長の故文鮮明師はこれを説いた。振り返ってみる時かもしれない。

(岩崎 哲)

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