トップ国際朝鮮半島【なぜ韓国は左傾化したか】(2)「親北反日」教師 学校乗っ取り父兄巻き込む

【なぜ韓国は左傾化したか】(2)「親北反日」教師 学校乗っ取り父兄巻き込む

全教組の教師が多数を占める公立ソウル慰礼星小学校(12日撮影)

<前回>【なぜ韓国は左傾化したか】(1) 中朝の軍歌作曲し故郷に錦? 左派の解放区・光州

ソウル市の南東端にある慰礼(ウィレ)新都市。マンション団地を軸に宅地開発され、富裕層を中心に約4万5000世帯が暮らす。ここにある公立ソウル慰礼星小学校で騒動が起きたのは2017年のことだった。ある小学校1年生の担任教師が授業中に「同性愛はいいこと」と教え、物議を醸したのだ。

別の教室では、クリスチャン家庭の児童が「家で聖書を読んでいる」と先生に言うと、「お母さんに言われるまま聖書を読んではダメ」とたしなめられた。後日、児童の母親が先生に抗議すると、「そんな熱心に宗教教育をしないでください」と逆切れされたという。

同校はその前年、新都市開発に伴う学校設立の際に指定された「革新学校」。この制度は教師志願者を募るが、「親北反日」の理念教育で知られる全国教職員労働組合(全教組)が所属教師を大挙志願させ、校長・教頭から一般教師まで全体教員の8割を占めてしまった。一つの学校を事実上、乗っ取ったと言える。

「革新学校」は2010年、全教組と左派系野党の民主党(現、共に民主党)が支持する中、市・道の教育行政トップである教育監の選挙で多数の左派が当選し、本格的に広がった。

全教組の問題に詳しい全国学父母団体連合の李信嬉・共同代表はこう指摘する。

「全教組教師の理念教育では親北反日反米は基本。米国は主敵で、北朝鮮は同胞だから協力すべきだと教える。また親マルクス主義から派生する文化、例えば同性愛や競争のない世界などを擦り込む。教科書とは別途の副教材を配り、生徒たちとの私的な会話でもそういう話を平気でする」

こうした偏向教育の結果、児童同士でケンカになることもあったという。李代表の息子Y君が通った小学校では、反日路線を敷いた文在寅政権の時、先生から日本製品不買運動に参加するよう促された。家で日ごろから「反日」の問題点を聞かされていたY君が「それは正しくない」と言うと、友達から「お前は親日派だ」と罵倒されたという。

保護者を巻き込む活動も行われている。全教組教師の夫人たちの集まりである「真の教育学父母会」は、一般の保護者を“味方”に付けるため、まずは親しくなり、自分の話を相手が信じるようにさせ、政治的な話も受け入れてもらい、最終的には一緒に活動してもらう。「革新学校」であるソウル市九老(クロ)区の天旺(チョヌァン)小学校では、全教組の弊害を糾弾するため立ち上がった父兄たちの活動を、教師たちの代わりになって妨害してきたという。

全教組の教師は所属しない教師たちと衝突することもあるが、「戦闘的で言い掛かりをつけ続けるので、最後は相手が音を上げる」(保守系団体関係者)。私立の学校では学校を運営する財団などにより解雇に追い込まれるケースもあるが、訴訟を起こしたり、教育監から圧力をかけてもらい、復職に至ることもあるという。

そして全教組が公教育に浸透しているとすれば、多くの受験生が利用する学習塾でも「学生運動の前科があって一般企業に就職できなかった人などが講師や塾長となり、社会への不満から反保守、反企業教育を生徒たちに注入する」(金泰一・大統領直属国家教育委員会委員)のが現状だ。

李代表はこう嘆く。

「教育の問題が社会の問題をつくり出しているが、韓国の教育現場は数十年かけてつくり上げられた、どこからどう手を付けていいか分からないほど左傾化した一種のカルテルだ」

(ソウル・上田勇実、写真も)

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