
極端な対決だけの政治に
われわれに隠された幕後の政治は見た目よりはるかに戦闘的で残酷だ。最近、汝矣島(国会のある政治の中心地、日本でいう永田町)で起こっていることをみると、改めて政治の本質は権力闘争だという事実を実感する。
共に民主党の李在明代表が断食を始めて19日目の18日、病院に緊急搬送された。民主党は国会代表演説で内閣総辞職を要求し、直ちに韓悳洙首相の解任建議案を提出した。
周辺で多くの人々が気にしていた。李代表がなぜ断食をするのか、何を得ようとするのか。彼が断食の名分として掲げた民主主義毀損(きそん)に対する大統領の謝罪、日本核汚染水放出反対表明、全面的な国政刷新が平凡な人々の共鳴を得られなかったせいだ。もし共鳴を得られていたら、世論が動き、政府与党が腕を組んで眺めていられなかっただろう。
党のホームページと連結された李代表の断食映像には、「李代表を中心に固く団結しなければならない」「共に従います」「李在明が答えだ」式の過激支持層の戦意だけが溢(あふ)れていた。
李代表は断食期間に、最高委員会議で「首相を含む内閣が総辞職して、新しい(国政)方向を模索しなければならない」と述べた。それと共に「権力はいつもつかの間」だといった。事実上、尹錫悦大統領に対する国政から手を引けとの注文だ。
党内外の中断勧誘にもかかわらず断食に固執した李代表の究極的目標が尹錫悦政権の弾劾だとでもいうのだろうか。李代表は先の朴槿恵大統領に対する弾劾政局の最大受恵者だった。城南市長だった彼は最初に弾劾を叫んで1~2%台だった支持率が急上昇し、有力な野党候補だった文在寅前民主党代表の競争者になった。だが、彼自身が経験したように政権弾劾の動力は汝矣島ではつくられない。民心が動かなければならない。民主党内でも不可能だということを分かっている。
そうであるなら、残る名分は目前に迫る自身の拘束を避けて代表の権力を守ることになる。党内で逮捕同意案可決の声は消えた。病床に横たわる李代表に拘束令状を請求した検察の非道さを糾弾する声だけが大きく聞こえる。
側近に「死ぬしかない」との覚悟を伝えたという彼が得たものが本当にこれだけなら、過去の金大中、金泳三の断食政治に比べること自体が恥ずかしい。少なくとも彼らの断食は暗黒期に政治を作動させる火花のような役割を果たした。
李代表と親衛勢力はもう一度、政治危機を突破した叙事を残そうとしているのかもしれないが、政界は極端と極端がぶつかる廃虚となった。
(黄政美編集者、9月19日付)







