トップ国際朝鮮半島(福島第一原発)“汚染水”(処理水)問題をエネルギー協力の契機に

(福島第一原発)“汚染水”(処理水)問題をエネルギー協力の契機に

28日、ソウルにある韓国大統領府で海鮮料理を食べる政府関係者 (韓国大統領部提供・時事) 
28日、ソウルにある韓国大統領府で海鮮料理を食べる政府関係者 (韓国大統領部提供・時事) 

欧州では仏独が和解へ

8月24日から福島第1原発の汚染水(注・処理水)の太平洋への放出が始まった。争点の核心は「信頼」である。民主的言論が作動しない中国はともかく、韓国と日本だけを見れば二つの極端な立場が存在する。放出しても安全だとの主張と人間の健康に致命的な被害を与え得るという論理だ。

問題は日本政府と東京電力の過去の言動が日本国内ですら完璧な信頼を得られていないという事実だ。韓国と日本の政府と野党、報道機関と市民団体などがおのおの立場を異にすることによって賛成・反対意見が国境を越えて形成され、さらに専門家集団まで対立して汚染水の争点は非常に複合的な様相を示している。

福島の事故と事後処理の問題は逆説的に韓国と日本の長期的な協力の機会を提供するかもしれない。汚染水処理の案件だけに拘泥せず、原子力エネルギーの未来を共に拓いていくという大きなビジョンに発展させることさえできれば、ということだ。

互いに敵対視していた国家がエネルギーを通じて和解と協力の道を整えた事例は欧州のフランスとドイツに見いだせる。欧州大陸の二つの強大国は19、20世紀に3度の大規模戦争をした宿敵だった。だが、ドイツとフランスは1950年代、石炭や原子力のようなエネルギー分野を緊密に一つに統合することによって協力の土台をつくり、欧州連合という巨大な勢力を構築したのである。エネルギーが分裂でなく和合の手段になったということだ。

韓国と日本も福島を契機に欧州のエネルギー協力や仏独和解の事例に目を向けて調べてみる必要があるという話である。

1951年のパリ条約は石炭と鉄鋼産業の統合を推進し、戦後欧州繁栄の土台になった。57年のローマ条約は欧州経済共同体を発足させた条約としてよく知られているが、それと同時に欧州原子力共同体(EURATOM)の条約でもある。これにより欧州は過去半世紀以上にわたり、原子力協力を強固にしてきた。

欧州の経験に照らしてみれば、エネルギー協力の国際化は前述した信頼の問題を相当部分解決することができる妙案だ。特に原子力のように、安全性と情報に対する信頼確保が決定的な部門において、国際機関の共同管理と監視は合理的な解決策になり得る。

国家ごとに存在する原子力利害集団の閉鎖性を崩して透明性を高めることにも国際的機構は決定的に貢献し得る。さらに潜在的な腐敗の輪を断ち切り、監視の目を多角化することは安全性を高める近道である。

汚染水は明らかに食卓と食物の安全問題であり、漁民の生存が懸かった経済的な争点だが、その合理的で長期的な解決策は長い目で未来を計画する時につくられるはずだ。欧州の経験を参考にして韓国と日本、さらに東アジアのエネルギー協力を企画する外交的想像力が切実に必要だ。

(趙泓植(チョホンシク)崇実大教授、8月29日付)

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