トップ国際朝鮮半島外交の表舞台から消えた北朝鮮

外交の表舞台から消えた北朝鮮

7月26日、平壌にある朝鮮労働党中央委員会の庁舎内を歩く金正恩総書記(手前左)とロシアのショイグ国防相(同右)(朝鮮中央通信配信)(A F P時事)
7月26日、平壌にある朝鮮労働党中央委員会の庁舎内を歩く金正恩総書記(手前左)とロシアのショイグ国防相(同右)(朝鮮中央通信配信)(A F P時事)

今年もARFに外相不参加

毎年夏、その年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国で開かれるASEAN地域フォーラム(ARF)をはじめとするASEAN関連のさまざまな外相会議には韓国、米国、日本、中国、ロシア、欧州連合(EU)の外相らが参加する。

ARFには北朝鮮も参加する。米中の間で均衡を維持しようとして敵をつくらないASEANの外交的特性が反映された舞台といえる。ウクライナ戦争や米中間の戦略競争で全世界的な陣営対立が深化し、互いに会うことが難しい中で、ARFが会合の場として持つ役割が一層大きくなったと考えるのはこのためだ。

このような性格を十分に活用する外相たちがいる。今年の会場であるジャカルタのシャングリラホテルのロビーで、各国メディアから最もスポットライトを浴びた人物は断然セルゲイ・ラブロフ露外相だった。終始余裕ある態度で微笑(ほほえ)みを投げ掛けて存在感を誇示した。

最近再び外相になった王毅中国共産党中央政治局委員は秦剛外相(当時)の代わりに参加したが、王委員もラブロフ外相に劣らずスポットライトを浴びた。

半面、北朝鮮の崔善姫外相が今年も参加しないだろうということは早くから既成事実化されていた。北外相がARFに参加しないのは2019年以来、既に5回目だ。新型コロナ禍で各国外相がリモート参加する時も姿を現さなかった。今年の議長国インドネシアも北朝鮮を参加させようと外交的に努力したが、北が応じなかったと伝えられる。

「格」が重要な外交舞台で閣僚級会議に外相が出席しなければ、外交的な身動きの幅は狭くなる。今年、崔外相の代わりに出席した安光日駐インドネシア北朝鮮大使は制限的に動き、韓国をはじめとする外国メディアを強く警戒した。

19年2月、ハノイでの米朝首脳会談が決裂した後、北外相は8月にバンコクで開かれたARFを欠席した。4年過ぎたが状況はそのままだ。ASEAN諸国は北朝鮮と外交関係を結んでおり、それなりに融和的でもあるのに、北朝鮮は新型コロナの時期を経て、完全に門を閉じた。

かつて南北外相が遭遇したりもしたARFは、韓国記者にとって重要な取材対象だったが、北朝鮮がARFに参加していた記憶は徐々に消えつつある。

北朝鮮は疎通していた国々ともだんだん疎通しなくなっている。同じ陣営の中国、ロシアと交流するだけだ。北朝鮮と外交関係があるスウェーデン、英国など欧州諸国の駐北朝鮮大使は北朝鮮に入ることができず、自国で仕事をするようになって久しい。

こうした時間が長くなるにつれて、緩衝地帯が完全に消えてしまわないか心配だ。来年、ARFは北朝鮮と伝統的に近いラオスで開かれる。ラオスでは北朝鮮外相を見られるだろうか。

(ホン・ジュヒョン外交安保部記者、7月29日付)

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