【韓国紙】アジアに存在する“今そこにある危機”

【ポイント解説】ようやく共通認識に立った日韓

「台湾有事は日本有事」。そう唱えた安倍晋三元首相を厳しく批判したのは韓国の前の政権とその支持者たちだが、東アジアの現状をみれば、安倍氏の認識が正しかったことを韓国も認めざるを得ない。

政府の機関である国立外交院の研究部長が示した認識は日本、米国とも大筋で一致しており、日米韓の「三角同盟」が形成されていきつつあることを示している。

ただし、懸念されるのは台湾有事となった場合、在韓米軍が動員されることで韓国の安保が手薄になり、北朝鮮の挑発を受ける可能性が高くなることだ。記事では韓国政府が米軍の台湾展開を「歓迎しない」ことも十分にあり得ることを示唆している。

月刊誌「新東亜」(昨年10月号)でキム・ギホ江西大教授が「最悪の状況を設定した仮想シナリオ」を書いていた。

「目が台湾に向けられると、北朝鮮はすぐに戦術核兵器が装着された極超音速ミサイルで韓国主要国家・軍事戦略施設を精密打撃した。ソウル龍山の大統領執務室、平沢サムスン半導体工場、3軍本部がある鶏龍台と星州THAAD(高高度防衛ミサイル)基地が打撃目標だ。ミサイルはソウルまで1分41秒、星州まで3分で到達した」

あくまでも「最悪」の想定だが、現状、潜在的な中国の軍事支援を加えた北朝鮮軍とバランスしているのが韓国軍と在韓米軍、そして在日米軍である。このうち米軍が台湾に向かえば均衡が破られるというのは簡単な算数だ。

相互防衛の約束に縛られて韓国軍も何らかの支援を行えば、さらに北への備えが危うくなる可能性もある。北朝鮮がこの機に乗じて挑発を行えば、東アジアは手の付けられない混乱状況になることが予想される。まさに台湾有事は日本・韓国有事に飛び火していきそうなのだ。

だから「台湾海峡の平和と安定の維持が重要な理由だ」とはその通りなのだが、同時に仕掛けられている中国の超限戦への警戒も固めなければならない。ようやく共通認識に立ったと感じる記事である。

(岩崎 哲)

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